秋田県横手市：公共下水道の経営状況（2015年度）

経常収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			100.7	102.32	104.99	101.64
類似団体内平均値（％）			101.61	104.97	106.59	107.4

収益的収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）	56.54	60.19
類似団体内平均値（％）	72.27	74.52

累積欠損金比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）			51.83	52.88	23.51	18.92

流動比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			126.13	302.08	35.97	45.94
類似団体内平均値（％）			231.37	539.27	57.3	57.35

企業債残高対事業規模比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			1216.26	881.46	1260.23	1200.17
類似団体内平均値（％）	1339.91	1304.52	1123.5	1040.0	1063.79	1066.6

経費回収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）	54.65	56.53	69.84	73.06	115.55	99.84
類似団体内平均値（％）	74.34	76.02	92.89	92.21	98.45	98.51

汚水処理原価

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（円）	304.36	270.17	233.73	223.2	141.09	163.35
類似団体内平均値（円）	204.97	201.65	176.31	180.03	164.37	160.09

施設利用率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）				1529.73	1478.0	1523.2
類似団体内平均値（％）	112.08	124.4	190.06	193.83	180.65	218.69

水洗化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）	63.62	64.3	65.79	66.74	67.87	69.27
類似団体内平均値（％）	86.79	86.58	86.89	87.1	85.95	86.8

経営の健全性・効率性について

①②平成27年度の経常収支比率は101.64％と前年度から若干悪化している。要因としては収入の大きな割合を占める一般会計からの繰出基準に基づく補助金が減ったこと、また、費用において固定資産除却費が大きかったことが挙げられる。なお、費用においては当該事業は設備投資が大きいことから恒常的に資本費（減価償却費及び企業債支払利息）の割合が大きくなっている。今後も引き続き水洗化率の向上を図り、使用料収入を確保していく必要がある。③流動比率は会計基準の見直しによりＨ26から大きく変動しているが、類似団体と比較すると同じ動きで推移している。企業会計に移行してからの期間がまだ短く内部留保資金が少いこともあり平成27年度数値も類団平均よりも若干低くなっている。今後も計画的に資金を確保していく必要がある。④企業債残高対事業規模比率は、平成27年度は1200.17％となっている。当該事業は設備投資の額が大きくなり、企業債に依存した経営となる傾向にあるが、整備が終了段階に近づきつつあることから、近年は企業債残高も順調に減ってきている。⑤⑥経費回収率、汚水処理原価は、いずれも類似団体平均との比較では良い状況である。平成26年度からの流域維持管理負担金の単価見直しにより見直し前との比較では好転しているものの、今後も収入確保や経費削減のための対策を検討、実施していく必要がある。⑦汚水処理の大部分が流域下水道（県所管）の処理場で処理されていることから、施設稼働率が非常に高くなっている。⑧水洗化率は平成27年度には69.27％で、昨年度と比べて、微増となっている。類似団体と比較すると低い状態であり、使用料収入の増を図るためにも、今後も水洗化を促進する必要がある。

有形固定資産減価償却率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			1.6	2.92	15.81	2.54
類似団体内平均値（％）			8.3	9.52	15.82	2.62

管渠老朽化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）			0.01	0.01	0.01	0.01

管渠改善率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015
当該団体値（％）			0.0	0.0	0.0	0.01
類似団体内平均値（％）	0.14	0.05	0.02	0.03	0.08	0.67

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は平成27年度は17.93％となっており、類似団体と比較するとほぼ同じ水準の数値となっている。現在も未普及地域において面整備を進めており、施設全体における老朽化施設の割合は現時点では高くないが、事業開始初期に整備した施設については整備から３０年近く経過しており、長寿命化等を検討・実施していかなければならない時期を迎えている。今後は施設の老朽化の割合が年々高くなっていくため、更に効率的な長寿命化等を検討・実施していかなければならない時期を迎えることになる。

全体総括

下水道事業は今後10年間で概成することとしている。下水道は住民が快適な生活を送るために必要不可欠なインフラであり、事業終了後も施設を適切に維持管理していく必要があるが、初期に整備した管渠施設や市単独処理場については整備後かなりの年数が経過しているため、修繕費が増加傾向にある。今後は長寿命化対策により適切な維持管理の手法を選択し、より効果的・効率的な事業の運営を図る必要がある。平成27年度は経常収支比率が100％超えとなったが、今後は人口減少や節水環境の影響により使用料収益の大幅な増収は見込めない。また、施設の老朽化に伴い修繕費が増えるなど、今後費用が嵩むことも想定され、将来的な収支は決して楽観できない状況である。増収につながる水洗化率向上のための対策、費用の更なる縮減策等を検討、実践し、安定した経営につなげる必要がある。