経営の健全性・効率性について
宮若市の公共下水道事業における経営指標は全体的に類似団体平均値より劣位となっており、特に企業債残高対事業規模比率や経費回収率、汚水処理原価が劣位となっている。宮若市公共下水道事業は平成13年に事業を始め、平成18年から市内の一部で下水道が使用できるようになった。現在も、下水道が使用できる区域を拡大させるための先行投資として、積極的に下水道工事を行っている状況である。また、下水道の供用開始から約10年と日が浅いため、市内において下水道を使用することができる区域がまだ少なく、下水道を使用することができる区域に住んでいる人で、実際に下水道を使用している人の割合を表す水洗化率は47.56%と類似団体平均と比較して低くなっている。このため、1年間で下水道に流れる汚水の量を表す年間有収水量は低くなっており、料金収入が少ない状態である。このことから、汚水処理原価と企業債残高対事業規模比率は類似団体平均と比較し高くなっており、経費回収率は低くなっている。
老朽化の状況について
宮若市の公共下水道事業は、下水道管の敷設工事等の施設整備事業を開始から約15年、供用開始から約10年と、他の類似団体と比較して経過年数が浅いことから、施設の老朽化に伴って更新が必要なものは殆ど無い状況である。
全体総括
今後、経営の健全性・効率性を高めていくためには、有収水量を拡大するとともに水洗化率の向上に努め料金収入を増やすことが急務となっている。そのため、従来の建設に加え、多量の汚水量が見込める工業団地、公営住宅、住宅密集地域等を建設するなど、効率的かつ効果的に下水道整備を行うとともに、下水道が使用できるようになった地域への広報活動を強化することで有収水量の確保に努める必要がある。