経営の健全性・効率性について
本県の工業用水道事業は、県東部の2市を給水エリアとするものと、県西部の1つの工業団地を給水エリアとするものの2カ所があります。近年、用水需要の大幅な増加が期待できない中、業務の見直しや経費縮減に取り組むなどの経営努力によって、単年度の収支均衡(経常収支比率、流動比率100%以上)を確保しています。一方、「累積欠損金比率」が高い要因は、平成8年度から新たに給水を開始した工業団地への用水型企業の誘致が進まず、収益性の低い状況が続いたことから、平成26年度に減損処理を実施したためです。現在、各事業ごとに、順次、アセットマネジメント手法を用いた「施設管理基本計画」を策定しつつあり、この計画に基づき、効率的かつ効果的な事業運営を行っていきます。
老朽化の状況について
給水開始から50年近く経過した施設もあり①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率は類似団体平均より高い水準にあります。③管路更新率については、アセットマネジメント手法を用いた「施設管理基本計画」に基づき、施設の長寿命化を図りつつ、優先度の高い区間から管路更新を進め更新率を高めていきます。
全体総括
単年度の状況をみると、概ね収支均衡を維持しています。引き続き、企業活動に必要な工業用水を安定供給し、重要なインフラとして地域の産業を支えるため、「島根県企業局経営計画」を着実に実行し、経費の縮減や新規需要の開拓などの経営努力を行っていくとともに、「施設管理基本計画」に基づき、適切な維持管理により施設の長寿命化を図っていきます。