経営の健全性・効率性について
①平成25年度に11.3%増の料金改定を実施したこと及び町の都市計画において、市街化編入され準工業地域に指定した地区の企業誘致による使用料収入の増加により、平成25年度から改善傾向であった。しかし、平成27年度以降、総収益の増加を上回る企業債償還額の増加に伴い、数値は減少している。企業債償還が相当な負担となっており、一般会計繰入金に依存した経営状況となっている。④集落単位の整備概成を平成31年度を目途として計画的に取り組んできたため、企業債残高対事業規模比率は高いが、下水道整備の普及に伴う工事規模の縮小により、企業債残高は減少している。また、平成25年度の料金改定による事業規模の拡大もあり、比率は減少している。⑤平成25年度から経営努力により、維持管理費を抑制したこと及び料金改定を行ったことにより、数値は改善傾向ではあるが、企業債償還が負担となっている。⑥平成25年度からの経営努力及び企業誘致により使用量が増加し、数値は減少傾向である。しかし、企業債償還が負担となっており、汚水処理原価を抑えるのに相当な期間を要するため、資本費平準化債を利用している。⑧平成27年度に集中浄化槽から下水道への一斉切替があったため上昇した。しかし、排水設備の下水道接続には、経済的な要因等から下水道への切替は鈍く、平均値よりも低い水準となっている。引き続き、水洗化の啓発に努める。
老朽化の状況について
下水道整備は昭和50年から開始し、平成28年度末時点で管渠の総整備延長は約191kmに達した。そのうち鉄筋コンクリート管は約31kmであり、全体の16%を占めている。老朽化の状況を把握するため、平成24年度に下水道管路施設の長寿命化対策基本計画を策定。平成25年度から平成27年度の3ヵ年で、調査・診断により対策の必要なボリュームの把握。平成28年度に策定したストックマネジメント計画に基づき、平成29年度以降に計画的・効率的な管理を行っていく。
全体総括
平成25年度の料金改定により若干の改善はみられるが、企業債償還が相当な負担となっており、汚水処理費用を使用料で回収できていない状況である。今後も企業債償還が増加する見通しであるが、収支ギャップの解消に向けた取組や料金改定の必要性を中長期的に検討する。また、個別訪問・広報活動による下水道未接続者の解消に向けた取り組みを継続的に実施し、水洗化率の向上に努める。