経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率(%)H23、24年度は企業債(借入金)を繰り上げて返済したため、H27年度と比較して10ポイント以上低くなっている。可能な限り施設等の予防保全は行わずに支出を抑えているが、H25からは70%台となっており、黒字となる100%には届いておらず、支出に占める企業債の返済額(元金・利子)が大きな負担となっている。④企業債残高対事業規模比率(%)H3年度からH12年度に下水道整備を集中的に進めたことにより、借入金残高も高い水準であるが、H13年度から事業費を抑制し、借入額を減らすことにより比率は減少傾向となっている。⑤経費回収率(%)汚水処理に要した費用を下水道使用料収入で、どの程度賄えているかを表しており、類似団体平均を上回り概ね100%前後を推移している。⑥汚水処理原価(円)汚水1㎥あたりの処理に必要な費用で、各年度150円前後で推移しており、類似団体平均を下回っている。主な要因としては単独で下水処理場を持たず、複数の市町から出る汚水とまとめて流域下水道で処理している効果によるものである。⑧水洗化率(%)下水道が整備されている区域の人口のうち、実際に水洗便所で汚水を流している人の割合を表しており、類似団体より下回っているが、広報、ホームページでの水洗化啓発や未水洗家屋への戸別訪問を行っており、既設建物、新築の下水道接続により各年度約1%向上している。
老朽化の状況について
③管渠改善率(%)管渠の改善状況については、S62年に下水道管の供用を開始してから29年であり、H27年度も更新が必要な管渠が無かったため、着手していない。雨水ポンプ場についてはH23年度に長寿命化計画を策定し、H24年度から施設の延命を図るため事業を進めている。
全体総括
分析の結果から、下水道普及率が96.81%と整備が進んでいるが、建設事業に伴う企業債(借入金)の償還(返済)が大きな負担となっている。また、水洗化率をみても類似団体平均を下回る状況であり、下水道に接続可能な地域が多いにもかかわらず水洗化が鈍い状況である。以前から取り組んでいるが、今後も新規事業については、効率的に効果が見込めるものを対象に進めることにより企業債の発行を抑えるとともに、水洗化促進のための啓発に努める。また、下水道事業の状況把握、安定的な運営のため、H32年度移行を目標に公営企業会計の適用に取り組み、あわせて、「経営戦略」の策定を進めます。