経営の健全性・効率性について
収益的収支比率について、平成22年・23年には地方債償還金が生じていないため、収支比率は100%である。今後償還金の増額により収支比率は低下していくものと推察される。また料金収入に対する企業債残高の割合を表す企業債残高対事業規模比率においては、類似団体平均値の2倍程度あり企業債残高の負担は大きい。要因としては、事業開始が平成18年からで10年程度しか経過していないため元金を返済していないことや使用料以外の収入に依存していることから、健全性ついては脆弱であると言わざるを得ない。また、水洗化率は100%であるが、汚水処理費は類似団体平均よりも高く経費回収率や施設利用率も低いため効率性は良いとは言えない。使用料の伸びよりも維持管理費用が増加していることや対象地区の人口減少や高齢化も要因である。効率性を高めるためには、経費の効率化に努めなければない。
老朽化の状況について
合併処理浄化槽については、平成18年から市が整備した合併浄化槽と個人が設置した後に市へ帰属され市が管理するものとに区分されるが、ともにブロワー(エアーポンプ)の交換などは生じているが、槽自体の取替えなどは生じていないため、差し迫った老朽化の状況ではないと考える。
全体総括
この事業は市の生活排水処理計画のなかで位置つけられた事業で、対象区域は下水道整備が計画されていない区域である。この事業は、相手方の設置申し出に対して行う事業であるため、継続性が乏しい面もある。いずれにしても限られた料金収入のなかで効率的に運営するためには民間管理手法の検討も視野に入れて検討しなければならない。