経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率平成23年度から脛永処理区の企業債の元金償還が始まったことにより、右肩下がりとなっているが、平成28年度から高資本費対策経費等の繰入額の増により、経営改善が図れている。④企業債残高対事業規模比率・⑤経費回収率・⑥汚水処理原価平成26年度までの数値は、分流式下水道に対する基準内繰入(一般会計負担分)を考慮していなかったことにより、類似団体に比べ大幅な乖離があったが、平成27年度から分流式下水道に対する基準内繰入金の見直しにより、一般会計負担額の増額及び汚水処理費に対する公費負担分の増額により類似団体との乖離幅が少なくなった。⑦施設利用率施設規模の根拠となる計画区域内人口は、過去の人口減少の実績により、10年後の推計値を算出し決定しているが、推計値を上回る人口の減少と下水道への接続の伸び悩みにより、施設利用率が類似団体より低い状況にある。今後も継続的に下水道への接続を推進し、施設利用率向上に努める必要がある。⑧水洗化率平成30年度からの公共下水処理場の供用開始区域拡大により低下したが、類似団体に比し、依然として低い傾向にあるため、今後も引き続き下水道への接続推進に努め、水洗化率の向上に努める。
老朽化の状況について
「脛永処理区」は平成21年度に供用を開始しており、標準耐用年数50年の管渠においては、最も古い管渠で16年を経過し、ポンプ設備などの機械類においては標準耐用年数が15年と短く、令和6年度には標準耐用年数を迎えることとなる。こうしたことから、直ちに更新の必要はないが、今後修繕費用や更新費用の増加も見込まれることから、整備・維持管理・更新をバランスよく進めていくためのストックマネジメント計画を策定し、日常の維持管理で得た情報を無駄なく、効率的に修繕・改築に活かし、計画的な更新に努める。
全体総括
令和2年度で「揖斐処理区」の整備が完了し、令和3年度で浄化センター周辺の修景工事も概ね完了した(一部繰越事業あり)。当面の間は一部機器類の更新はあるが、施設改修を伴う企業債の借入予定もないことから、企業債残高は減少していくと考えられるが、今後も借入金の元金償還や施設の維持管理など一般会計からの繰入金を引き続き依存せざるを得ないと考えられる。独立採算制の観点から、平成28年度に策定した経営戦略に基づき、少しでも一般会計からの繰入金を抑制するため、未接続世帯に対し継続的な下水道への接続推進を図り、引き続き経費回収率の向上に努める必要がある。