経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、100%を下回っており、普及率の鈍化に伴い使用料収入が伸び悩み、収益の7割弱を他会計からの繰入金に依存している状況であるが、平成12年より着工した下水道事業の地方債の償還額がピークを過ぎたことから、今後は徐々にではあるが改善される見込みである。しかし、供用から12年が経過し機器等の経年劣化による修繕費が増加してきていることから、適切な維持管理と計画的な更新を図るとともに、供用開始以来料金改定を行っていないため、現会計に見合った料金改定が必要な時期を迎えている。経費回収率は、類似団体を上回っているが、100%は下回っており、年々率が下がってきていることから、適正な使用料収入が確保できていない状況であり、近年中の使用料の改定と汚水処理費の削減が求められている。汚水処理原価は、類似団体と比較し下回っている。維持管理費の内処理場の電気料金の削減が図られたことで若干ではあるが前年を下回ったが、今後も適切な維持管理を図り更なる費用の削減や適正な使用料の改定を行う必要がある。施設利用率については類似団体を上回っているが、やや減少傾向にあり、人口減少に伴う処理量の減少が要因と思われる。水洗化率については、接続件数の増加により向上しており、類似団体と比較しても上回っていることから、住民への接続促進を啓発し、さらなる水洗化率の向上に努めなければならない状況である。
老朽化の状況について
供用開始から12年を経過しており、比較的施設はまだ新しいが、地理的条件からマンホールポンプ及び宅内ポンプの施設が多いため、部品の交換や修繕が必要になってきている。管渠については、布設替え等はしばらくないが、マンホールポンプからの圧送先マンホール及び蓋が硫化水素により劣化してきていることから、改修が必要な時期を迎えている。
全体総括
地方債の償還額がピークを過ぎたことから、今後は徐々にではあるが経営的に改善されるため、比較的ゆとりが生じてくるものと思われる。しかし、経年劣化による修繕費が年々増加してきていることから、適切な維持管理と計画的な更新を図り、使用料についても現会計に見合った改定が必要と考える。また、近々、地方公営企業会計に移行することを見据え、資産等の把握・精査に努めるとともに安定的な会計になるよう努力していく。