魚沼市

目的別歳出の分析欄

市民一人当たりの経費で、特に大きく増加しているものは総務費であり、前年度よりも１２５，１６４円増の２４８，２５８円と、類似団体平均や全国平均を大きく上回っています。これは、新庁舎建設事業の進捗により、庁舎再編整備事業が前年度よりも、１７．６億円増加していることが大きな要因です。一方、前年度よりも大きく減少しているものは、土木費が前年度よりも１８，６６８円減の１０２，２２９円、消防費が前年度よりも８，３７４円増の３２，１１０円となっています。土木費については、令和元年度は記録的な少雪の影響による除雪経費の減額が大きな要因です。とはいえ、全国平均５０，３７４円の約２倍となっていることは、日本有数の豪雪地である本市の特徴を表しているといえます。消防費については、防災行政無線等整備事業において、防災行政無線完全デジタル化工事による増加が大きな要因です。また、商工費については、前年度よりも２，４７４円増の３３，４０５円と、類似団体平均や全国平均を大きく上回っています。これは、令和元年度が記録的な少雪であっことに伴う経済対策として市内中小企業者の経営安定化を図るための融資制度などの実施により、１．８億円増額となったことが大きな要因です。類似団体平均及び全国平均を大きく上回っているものに、衛生費と公債費があります。衛生費については、新潟県から経営を引き継いだ魚沼市立小出病院に係る病院事業会計に対し、多額の繰出金が必要となっていることが要因です。地域に民間の医療機関が少ないことから、市立病院として維持していく必要があり、削減することが難しい状況です。公債費については、６町村が合併したことにより広大な面積を有する当市では、市税など自主財源が乏しいことに加え、道路や橋梁、消防施設、小・中学校等教育施設などの、更新又は長寿命化のための大規模改修などに多額の経費が必要であり、地方債に頼らざるを得ない状況です。そのため、公債費が多額となっています。ただし、地方債の元利償還金に対する交付税措置が有利な過疎債や合併特例債などを中心に借り入れているため、実質公債費比率や将来負担比率については、全国平均と同程度の比率となっています。

性質別歳出の分析欄

市民一人当たりの歳出決算総額は、前年度よりも１１７，６７４円増加し、８５２，０６６円となっています。特に大きく増加しているものは積立金であり、前年度よりも３９，７３０円増の７２，３１２円となっています。これは、ふるさと納税による寄附金額が増加したことに伴い、ふるさと結基金積立金が１３．１億円増加したことが大きな要因です。また物件費は、前年度よりも２４，３２８円増加し、１４３，１５３円となっています。これは、ふるさと納税の増加に伴い、その申込サイトの運営業務委託料が５．８億円増加したことによります。物件費については、今後しばらく、この高水準が継続すると見込まれます。普通建設事業費（うち更新整備）は、前年度よりも６５，３６３円増加し、１５２，０４５円となっています。その要因は、新庁舎建設事業の進捗などにより、普通建設事業費が２２．８億円増加したことによります。令和２年度以降は、内水対策事業の実施など大型建設事業があるものの、減少傾向となる見込みです。反対に、大きく減少している項目として、維持補修費が前年度よりも１１，８４５円減の４８，９６８円となっています。これは、令和元年度は記録的な少雪の影響による除雪経費の減額などにより、維持補修費全体で４．６億円減少したことによるものであり、降積雪状況により大きな変動がある項目です。

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高い施設は、道路、公民館であり、特に低くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館である。道路については、地元要望等を踏まえ年次計画に基づき新設・改良を行ってきており、公民館については、公共施設等の再編に伴い空いた行政庁舎の一部を利活用するなど、既存施設を代用した老朽化対策にも順次取り組んでいる。認定こども園・幼稚園・保育所、児童館の有形固定資産減価償却率が低くなっている要因は、平成２８年度に私立幼稚園と私立保育園を統合し、保育・教育の拠点として新たに認定こども園を設置したためである。公営住宅の有形固定資産減価償却率は類似団体と比べても同水準にあり、緩やかな伸びとなっているものの、平成２２年度に策定した公営住宅等長寿命化計画等に基づく大規模改修、長寿命化や老朽化した住宅の解体撤去など、これまでの取り組みの効果が表れていると考えられる。なお、橋りょう・トンネルについては、平成２７年度以前まで資産計上を見送っていたため、現時点で他の項目と同様に比較分析を行うのは適当ではなく、今後の推移を注視しながら施設の長寿命化対策等に取り組んでいくこととする。

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において、有形固定資産減価償却率は類似団体の平均値を下回っているものの、体育館・プール及び市民会館については、類似団体平均を上回っている。体育館・プールの多くは、廃校となった学校の体育館・プールを残した施設であり、そのほとんどが建築後３０年以上経過し、一部の施設は耐用年数を経過するなど全体的に老朽化が顕著であるため、解体、譲渡や指定管理者制度への移行等、今後の方向性を取捨選択していく必要がある。市民会館については、文化施設、市民活動の拠点施設が含まれていることから、今後も継続的な維持管理に努めるとともに、利用状況や必要規模を考慮しつつ、機能移転、集約化・複合化を検討していく必要がある。図書館については、平成３０年度が施設購入初年度であり、現時点で他の項目と同様に比較分析を行うのは適当ではないが、今後の維持管理費の増加に留意しつつ、生涯学習環境の整備に取り組んでいく。