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市税収入については、人口減少による納税義務者数の減少や法人市民税の税率変更などマイナス要因があるものの、納税相談を通しての自主納付の進捗や県と合同で実施している地方税徴収機構の成果が出たことにより、滞納繰越分の徴収率が上昇していますが、財政力指数は、類似団体内の順位は低位に位置し、指数も平均指数0.39を大きく下回る0.29となっています。複雑・多様化する住民サービスや人口減少問題対策をはじめとして新たに発生する行政需要に適切に対応していくため、効果的・効率的な行政サービスを構築し、引き続き行財政改革の取組を強化していく必要があります。
高利率の地方債の借換え等により公債費の削減を図ったことにより、経常収支比率は低下傾向であり、類似団体や全国の平均値を下回っていますが、地方交付税の減額(5億円)や臨時財政対策債の減額(2億円)の影響が大きく、平成28年度は4.3ポイント悪化しました。今後は、ここ数年で取り組んだ消防庁舎、斎場、すもんこども園、湯之谷小学校などの大型建設事業や平成30年度から建設に着手する新庁舎建設により、公債費が上昇するなどのマイナス要因があります。事務事業の効率化を図り、経常経費の削減に取り組むとともに、地域経済活性化による地方税収の増加を図っていく必要があります。
人件費は、定員適正化計画に基づく職員数減により縮減されており、物件費と維持補修費は横ばいの状況ですが、人口が前年度比-684人となったため、1人当たり決算額は増額となっています。現状のままでは、既存施設の維持補修費が増加することが見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、類似施設の統廃合を推進するなど、より効率的な市民サービスを検討する必要があります。
定員適正化計画に基づき、採用の抑制や業務委託の推進など、毎年確実に縮減できるよう進めていますが、合併に伴う広大な行政区域での行政運営や分庁舎方式による職員の分散配置、各地域における行政サービスの維持のため市民センターを設置していることなどに起因して、類似団体平均と比較すると依然と高い状況にあります。新庁舎建設に伴い、事務事業や職員配置を見直し、今後も定員適正化計画に基づいた人員削減を図っていきます。
普通交付税及び臨時財政対策債の減額による標準財政規模の減少(-6億円)がありましたが、既発債の償還進捗による元利償還金の減少(-3億円)もあり、実質公債費比率は更に改善しました。ただし、平成29年度以降は、普通交付税が更に減額されることに加え、元利償還金が増加することことが見込まれるため、しばらくは実質公債費比率の上昇傾向が続く見通しですが、既存事業の見直しや真に必要な新規事業の選択などにより、財政の健全化に努めます。
湯之谷小学校建設事業により地方債現在高の増加(16億円)等による将来負担額増加(22億円)、既発債の償還進捗による充当可能財源の減少(-16億円)、普通交付税及び臨時財政対策債の減額による標準財政規模の減少(-6億円)などの要因が重なり、将来負担比率は大幅な増加となりました。今後もしばらくはこの傾向が続く見通しですが、既存事業の見直しや真に必要な新規事業の選択などにより、財政の健全化に努めます。
人件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して1.0ポイント上昇しましたが、全国平均、類似団体平均を下回っています。これは、平成16年の合併時における在職者調整を低い方の給与水準に合わせたことなどが要因です。
物件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して1.4ポイント上昇しました。大きな要因は、ふるさと納税の受付を新たに専用ポータルサイトを利用した方法としたことにより、その業務委託料が2億円増額したことが上げられます。その分、寄附額も大幅に増加し、4億円を超える寄附収入があり、普通交付税の逓減が続く中、貴重な財源となっています。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.5ポイント上昇しましたが、全国平均、類似団体平均を下回っています。今後は、高齢化の影響により、医療費を含んだ生活保護事業費の増加が考えられることから、今後更なる適正な資格審査が求められます。
その他に係る経常収支比率は、前年度と比較して1.5ポイント上昇しました。大きな要因は、ごみ処理施設などの公共施設等の維持補修費が1億8千万円増額したことが上げられます。ここ数年は少雪のため、除雪経費が低く抑えられていますが、大雪となった場合は、更に上昇することになります。公共施設等は、建設から相当の年数を経過したものが多くなっていることから、計画的な修繕を行うとともに、公共施設等総合管理計画に基づき、類似施設の統廃合を推進する必要があります。
補助費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.9ポイント上昇しました。大きな要因は、病院事業会計への補助金額が2億円増額したことが上げられます。一般会計からの補助金を減額できるよう、市立病院の経営状況改善を求めていく必要があります。
公債費に係る経常収支比率は、前年度と比較して1.0ポイント減少しました。この要因は、既発債の償還進捗による公債費の減少によるものです。今後は、ここ数年で取り組んだ消防庁舎、斎場、すもんこども園、湯之谷小学校などの大型建設事業や、平成30年度から建設に着手する新庁舎建設により、公債費が上昇する見込みです。地域経済活性化とのバランスを取りながら、新規借入を伴う事業の選択が必要です。
公債費以外に係る経常収支比率は、前年度と比較して5.3ポイント上昇しました。公債費以外の全ての項目において、前年度と比較して上昇している結果ですが、各項目に記載した対策の他に、定員適正化計画に基づく定員管理、事務事業の廃止や使用料などの見直し等の行財政改革を進めていく必要があります。
魚沼市財政計画に基づき、将来負担比率、実質公債費比率共に減少傾向にあり、類似団体の平均水準も下回っているが、平成25年度から平成28年度にかけて実施した複数の大型建設事業及び、今後着手予定の新庁舎建設事業等に係る起債の償還等に伴い、償還年度のピークとなる平成32年度に向けて、段階的に比率の上昇が想定される。今後も、起債に大きく頼ることなく、緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業展開を行うとともに、後世への負担を軽減するよう、事業の総点検を図るなど財政の健全化に努める。
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