経営の健全性・効率性について
平成31年4月に公営企業会計へ移行してから、令和元年度は初めての決算となりました。これにより、それ以前の決算状況との比較はできないことから非表示となっています。<経常収支比率>経常収支比率は、103.76%と類似団体平均値及び全国平均値を下回っている状況であり、さらなる収益の確保、経費削減を図る必要があります。収益の根幹である下水道使用料については、平成30年度に使用料改正、平成31年4月に減免内容の見直しを行ったほか、これまでに行った下水道接続の意向に関するアンケート調査結果に基づき、未普及対策を行うことで、増収に向けた取組みを着実に行っています。なお、事業用汚水については、東部第二地区の企業立地による汚水量の増加による増収を見込んでいるものの、一般家庭については節水傾向が続いているため、大幅な増収は見込めない状況です。<汚水処理原価>本市では処理場を有していることから、類似団体平均や全国平均を上回っています。<経費回収率>経費回収率は、91.58%と類似団体平均や全国平均を下回っています。前述のとおり事業用汚水の増加に伴い経費回収率は改善傾向を見込んでいます。
老朽化の状況について
現在、処理場や管渠など下水道施設の老朽化に伴いストックマネジメントを策定し施設の長寿命化を図る取組みを行っています。また、大規模な地震に備えるための地震対策事業など、今後ますます費用負担の増大が懸念されることから、今後も国の交付金を有効活用し事業を進めて行く必要があります。
全体総括
平成31年4月から公営企業会計を適用したことに伴い、財政状況や使用料対象原価が明確化になり、経営成績や財政状態を的確に把握できるようになりました。また、未普及対策については、下水道全体計画における計画区域の見直しを行い、約220億円の投資費用が縮減され、期間についても令和7年度をピークに令和12年度までに整備を行う予定とし、費用・期間ともに明確化を図りました。これらを踏まえ、令和2年度には経営戦略を策定し、中長期的に健全で持続可能な財政運営を行い、一般会計からの繰入金及び資本費平準化債をはじめとした企業債残高の縮減に努めていきます。