経営の健全性・効率性について
平成30年度は平成31年4月からの公営企業会計への適用に伴い、出納整理期間を設けず3月末で会計を閉めたため、施設利用率及び水洗化率以外の各種比率については算出時の内訳が前年度と異なっております。下水道使用料収入については、平成30年度に使用料改正を行うとともに、供用開始に伴う接続件数の増加により増収に努めました。しかしながら、一般家庭の節水傾向は続き、水量の伸びが期待できないことから大幅な増収が見込めない状況です。平成30年度の取組としては、これまでに行った下水道接続の意識に関するアンケート調査結果に基づき整備を行うことで、効率的な下水道使用料収入の確保を目指しました。施設利用率は、前年度比で一時的に低下したものの、利用率は類似団体平均を大きく上回っており余力がない状況です。水洗化率は97.64%と上昇傾向にあり、引き続き供用開始後の普及活動の強化を行っていきます。
老朽化の状況について
現在、処理場や管渠など下水道施設の老朽化に伴いストックマネジメントを策定し施設の長寿命化を図る取組みを行っています。また、大規模な地震に備えるための地震対策事業など、今後ますます費用負担の増大が懸念されますが、今後も国の交付金を有効活用し事業を進めて行く必要があります。
全体総括
令和7年度までに市街化区域の概成を目標に管渠整備を進めています。整備にあたっては、骨格となる幹線を先行整備し、水洗化の意向が高い地域やマンションなど優先的に枝線整備を実施するなど、意向型面整備により、早期に使用料収入の確保を目指します。今後も地震対策や改築更新、下水道普及促進など事業費の増大が懸念されます。平成28年度に作成した「伊勢原市公共下水道経営健全化計画」のもと歳出の削減と歳入の確保を図り、経費回収率の向上を目指していきます。一般会計からの基準外繰入金を削減するため今後も歳出削減は引き続き行う一方、歳入面では、平成30年度に下水道使用料の改正を行ったほか、平成31年度からの減免対象の見直しについて、規則を改正しました。