経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、平成25年度以降上昇傾向にあります。下水道使用料収入については、供用開始に伴い、接続件数は増加傾向にあり、一定の効果が得られています。しかしながら、一般家庭の節水傾向は続き、水量の伸びが期待できないことから大幅な増収が見込めない状況です。平成29年度の取組として下水道接続意識の高い地域から整備を進めるため、アンケート調査を実施し、効率的な下水道使用料収入の確保を目指しました。企業債残高対事業規模比率は、一般的に値が低い方が望ましいとされています。類似団体内と比較しても低い水準となっており、減少傾向にあります。経費回収率は前年度と比較すると大幅に上回っていますが、使用料収入として算入していた他市からの負担金や汚水処理費から他市維持管理費分を控除するなど計算式の変更を行ったことによるものです。汚水処理原価は類似団体と比較すると高くなっていますが、これは老朽化に伴い管渠の破損などにより不明水が多くなっていることが要因であると推測されます。今後も国の交付金を活用しながら地震対策や老朽化対策に取り組んでいきます。水洗化率は97.15%と上昇傾向にありますが、引き続き供用開始後の普及活動の強化を行っていきます。
老朽化の状況について
現在、処理場や管渠など下水道施設の老朽化に伴いストックマネジメントを策定し施設の長寿命化を図る取組みを行っています。また、大規模な地震に備えるための地震対策事業やゲリラ豪雨に対処するため浸水対策事業など、今後ますます費用負担の増大が懸念されますが、今後も国の交付金を有効活用し事業を進めて行く必要があります。
全体総括
平成37年度までに市街化区域の概成を目標に管渠整備を進めています。整備にあたっては、骨格となる幹線を先行整備し、水洗化の意向が高い地域やマンションなど優先的に枝線整備を実施するなど、意向型面整備により、早期に使用料収入の確保を目指します。今後も地震対策や改築更新、下水道普及促進など事業費の増大が懸念されます。平成28年度に作成した「伊勢原市公共下水道経営健全化計画」のもと歳出の削減と歳入の確保を図り、経費回収率の向上を目指していきます。一般会計からの基準外繰入金を削減するため今後も経費削減は引き続き行っていきますが、平成29年度においては来年度からの下水道使用料の見直しについて下水道運営審議会に諮り、条例を改正しました。