経営の健全性・効率性について
下水道使用料収入は、近年の節水傾向により、供用開始後も水量の大幅な伸びが期待できないことから大幅な増収が見込めない状況です。しかしながら、平成26年度は下水道使用料を改定したことにより収益的収支比率、経費回収率は上昇しました。汚水処理原価は類似団体と比較すると高くなっており、これは老朽化に伴い管渠の破損などにより不明水が多くなっていることが要因であると推測されます。今後は、地震対策とともに原因を特定し不明水対策を講じる等により維持管理費の削減を図っていく必要があります。水洗化率については、上昇傾向にありますが、供用開始後の普及促進について引き続き強化していきます。
老朽化の状況について
本市は単独処理場を保有し29年が経過しました。処理場施設の老朽化に伴い改築更新を計画的に行っている状況です。また、長寿命化計画に基づいて機器等の入れ替えを行い、ライフサイクルコストの削減に努めています。管渠については有収率が低いことから不明水対策が必要ですが、財源の手当も限られているため、優先順位を決めて事業を行っていきます。
全体総括
現在、市街化区域100%を目標に下水道整備を進めています。整備にあたっては、骨格となる管渠を先行整備し、水洗化の意向が高い地域やマンションなど優先的に枝線整備を実施していく方法により、早期に使用料収入の確保を目指します。また、施設の老朽化が進んでいる状況を踏まえ、不明水対策等による維持管理費削減に努めるなど、下水道経営の健全化を検討します。