武蔵野市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

令和２年４月より公営企業法の財務規定を適用しているため、各指標は前年度から皆増となっています。①経常収支比率は100％を超え、②累積欠損金比率は０％であることから、単年度の事業収支は黒字となっていますが、今後の使用料収入の動向に注視しつつ、健全な経営を目指していきます。③流動比率は100％をわずかに下回っているものの、翌年度の一般会計からの繰入金等により短期的な債務への支払は問題ありませんが、支払能力を高める必要があると考えています。④企業債残高対事業規模比率は、平成27年度から企業債の起債抑制を行っているため、類似団体の平均値を大きく下回っており、企業債が財政に与える影響は小さいと言えます。⑤経費回収率は100％を超え、必要な経費を使用料収入で賄うことができています。⑥汚水処理原価は類似団体の平均値を下回っており、効率的な汚水処理が行われています。⑧水洗化率、普及率ともに100％を達成し、汚水処理が適切に行われています。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は類似団体の平均値より低い水準となっていますが、これは法適用時に過去の減価償却累計額相当分を控除しているためであり、実際には指標以上に老朽化が進んでいます。②管渠老朽化率は、初期に布設された管渠は法定耐用年数を経過しており、類似団体の平均値と比較して高い水準となっています。今後も多くの管渠が更新時期を迎え、数値は上昇していく見込みです。③管渠改善率は類似団体の平均値と比較して、低い水準となっていますが、今後多くの管渠が更新時期を迎えることが見込まれているため、令和元年度策定の下水道ストックマネジメント計画により、計画的な更新を進めていきます。

全体総括

令和２年度決算では、各指標が示すとおり、概ね健全であると考えています。ただし、当市は下水道の整備時期が早かったこともあり、今後施設の更新等で建設事業費が大幅に増加する見込みです。限られた財源の中で着実な対応を行い、継続的にサービスを提供していくために、「武蔵野市下水道総合計画（2018）」を策定し、下水道全体を総合的に捉えて、重点的かつ計画的に事業を推進しています。この計画を基に予防保全型維持管理による施設全体の延命化や改築時期の平準化などを図り、下水道使用料の定期的な見直し、基金積立、起債抑制等経営基盤を強化する取り組みを進めています。