西郷村：工業用水道事業

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は100％を超え、本村の経営状況は比較的安定しているといえる。②累積欠損金比率は0％と健全経営を維持している。③流動比率は短期債務に対して十分な支払能力を有しているとされる概ね200％の水準を大幅に超えて確保しており、財務状況は良好であるといえる。④企業債残高対給水収益比率は類似団体と比べて低く、毎年度比率は減少傾向にある。これは償還に伴う企業債残高の減少で今後も引続き計画的な企業債の借入及び償還に努めたい。⑤料金回収率は類似団体を上回っており健全な経営状況にあるといえる。⑦施設利用率はここ数年40％台を推移している状況である。なお、本村の料金については責任水量制を採用しているため、施設利用率が低いことが直ちに給水収益に影響を及ぼすものではない。⑧契約率は事業所の契約水量の減少により、令和2年度は減少した。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率が増加傾向にあることから、老朽化が徐々に進んでいる状況にある。②、③管路経年管は残存していない状況にあるが、今後はアセットマネジメントの結果を基にした計画的な改良、更新を図っていく必要がある。

全体総括

経営の健全化、効率化については、概ね良好であると考えられる。しかしながら、ユーザー企業の節水や生産ラインの合理化等、今後は契約水量の減少が見込まれる可能性もあるため、将来の安定的な収入の確保に努めたい。また、老朽化については、有形固定資産減価償却率が増加傾向にあることから、優先順位や投資規模等を考慮しつつ、施設の改良、更新を進め、施設の効率性を高めながら将来の運営体制や投資の在り方について検討していく必要があると考えられる。