経営の健全性・効率性について
【経常収支比率・累積欠損金比率】類似団体を下回っており、令和4年4月からの料金改定による料金収入増により、経常収益の向上と欠損金額の減を図る。【流動比率・企業債残高対事業規模比率】類似団体と比較し流動比率が高く、企業債残高対給水収益比率が低いので、企業債残高や償還金が少額であると分析できる。一方、有形固定資産減価償却率は低いため、更新投資が近い将来必要とはいえず、現在の水準を維持することが望ましいと言える。【料金回収率】類似団体と同等以上の水準であるが、100%を下回っている。適切な料金収入の確保に努める。【給水原価・施設利用率】給水区域の人口が減少し、継続的に有収水量が減少する見通し。維持管理費に大きな変動は無いが有収水量の減により給水原価は年々増加し、施設利用率は減少傾向にある。経常費用を抑えるためにも、次期の施設更新時には適切な規模になるよう、ダウンサイジングの検討を行う。【有収率】類似団体平均以上の数値であるが、必要に応じ配水管内の漏水個所を特定し修繕するなど、配水量縮減の対策を講じ、数値を100%に近づけたい。
老朽化の状況について
【有形固定資産減価償却率】平成10年に供用が開始され、施設及び管路の老朽化が進んでおり、一部耐用年数が超過した機械設備を使用している。異常が発生した場合は、ただちに原因の究明と修理等をその都度実施しているが、管路からの漏水の場合には管路の法定耐用年数が超過していないため、新たな管路に更新ということではなく、修繕としての入れ替えで対応する。定期的な点検と更新により施設の長寿命化を図り、投資の平準化に繋げたい。
全体総括
有収水量の減により、給水収入が減り続けることが課題であり、経営状況はますます厳しくなることが予想される。また、管路更新等については財源の確保や受益者負担の点からも困難が予想されるが、料金の改定により、適正な料金収入の確保を推進し健全経営を図るべく努力していく。