静岡市:簡易水道事業(法適用)

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収集されたデータの年度

2021年度 2020年度

経営比較分析表(2021年度)

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、類似団体平均を上回っている。またR2年度より2.34%改善し、100%を上回っている。これはR2年10月の料金改定により給水収益が増となったことや一般会計補助金の長期前受金戻入が増になったことが要因である。②累積欠損金比率については、R2年度に発生した欠損金が一部解消したため、11.11%改善している。③流動比率については、類似団体平均を下回っている。100%を下回る理由は、流動負債のうち次年度に支払う元利償還金が大きく、これに充てる財源を次年度に一般会計より繰入れるため、年度末時点で償還金に充てる現金がないためである。また、元利償還金の増加に伴い流動負債が増加したため、R2年度を7.63%下回った。④企業債残高対給水収益比率は、類似団体平均を上回っている。これは本市の簡易水道事業の規模が小さく給水収益も少ない状況に対し、過去の建設改良工事等による残債が大きいためである。R2年10月の料金改定により給水収益が増加したこと等により、R2年度に比べ、578.34%改善した。⑤料金回収率は類似団体平均を下回っている。これは、⑥のとおり給水原価が割高になるのに対し、給水料金を市街地と同額にしており供給単価が低いためである。R2年10月の料金改定により給水収益が増となったことや一般会計補助金の長期前受金戻入が増となったことにより、R2年度に比べ、3.78%改善した。⑥給水原価は、類似団体平均を上回っている。これは、本市簡易水道事業の有収水量に対して、過去の建設改良工事等による残債が大きく、償還金が大きいことによるものである。長期前受金戻入が増加したことにより、R2年度を183.78円下回った。⑦施設利用率は、類似団体平均を上回っている。R2年度に比べ、総配水量が増加し、1.52%増加した。引き続き適切な稼働状況を維持しつつ、今後の更新の際には、給水人口の減少等を踏まえながら施設・設備規模の適正化を図る。⑧有収率は、類似団体平均値を上回っている。総配水量が増加したのに対し有収水量が減少したため、R2年度を5.54%下回った。この原因は漏水によるものと考えられるため、漏水の早期発見及び早期修繕に努めることで有収率の向上を図る。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率については、減価償却の進行に伴い、R2年度に比べ3.6%増加した。②管路経年化率について、管路の更新がなく経年したことにより、R2年度に比べ0.98%増加した。③管路更新率について、令和3年度は更新がなかったため0%である。

全体総括

本市の簡易水道事業は小規模かつ山間部に位置しているため給水効率が悪く、維持管理に係る費用が給水収益を大きく上回り一般会計繰入金に頼らざるを得ない経営状況となっている。過去の残債も大きく、給水収益のみでの経営はきわめて困難な状況である。令和2年度と比べ給水人口は16人減少し980人となり有収水量も減少していることから、経営はより厳しい状況となっている。令和2年10月に料金改定を行い給水収益が増となったことや一般会計補助金の長期前受金戻入が増になったことにより⑤料金回収率が改善し、②累積欠損金比率が減少するとともに、①経常収支比率が100%を超える状態へ経営改善することができた。一方で、⑧有収率の減少は漏水が原因と考えられる。経営面とともに安全面の観点からも漏水量を抑制することは重要な課題であり、今後、管路の早期修繕等により漏水量の抑制を図っていく。

類似団体【C4】

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