経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、平成24年度の18%から35%へと改善しているものの赤字収支である。処理人口が少ない反面、地方債償還金が高止まっていることが理由と考えられる。企業債残高対事業規模比率は、グラフ上はH27以降表示されていないが、地方債償還が進んでいることから減少傾向にあるものの、類似団体平均の約10倍となっている。これは処理人口1人当たりの管渠延長が長く、建設コストが高かったことに起因すると考えられる。経費回収率は約6%と、類似団体平均40%に比較し低く、汚水処理原価は平均の約4倍となっており、いずれも料金収入の低さと維持管理費の高さが理由にあげられる。施設利用率は26%で、類似団体平均の約6割と低く、処理水量が当初計画より少ないことが判る。水洗化率は69%で、類似団体平均と同水準であるが、未接続世帯について一層の加入促進対策を進める必要がある。
老朽化の状況について
建設から17年経過し、管路施設は更新時期には至っていないものの、処理施設は機械・電気設備を中心に老朽化が進展していると考えられる。平成30年度から、設備の機能診断を実施し最適整備構想を策定、その後改築更新を進めることとしている。
全体総括
処理区域内における人口減少や高齢化により、接続率が停滞し、営業収益が上がらない状況にある。対策として、未接続世帯に対する加入促進活動の強化とともに、料金水準の見直しにより、収益の改善を図る必要がある。また、汚水処理費を低減させるため、処理場の運転方法や、維持管理委託の見直しについて検討する。処理場の機械・電気設備については、更新時期を迎えているため、最適整備構想策定にあたっては、ライフサイクルコストを意識した改築費用の最小化に努め、地方債の増加抑制に努める。