経営の健全性・効率性について
当市の公共下水道事業は、むつ処理区が平成15年度、大畑処理区が平成16年度供用開始と供用開始からの年数が浅く、未だ事業半ばである。下水道整備による処理区域、接続数、有収水量の増加により使用料収入は年々増加しており、収益的収支比率は改善傾向にあるが、事業途中であるため経営規模が成熟しておらず、経費回収率や汚水処理原価といった各経営指標は類似団体平均値より劣位となっており、汚水処理のためにコストがかかっている状況である。整備推進に伴い水洗化率は徐々に上がってきてはいるが、下水道事業への取りかかりが遅れ、相当数の浄化槽が普及している中で下水道整備を進めている状況で伸び悩んでおり、類似団体平均値と比較してもかなり劣位となっている。
老朽化の状況について
当市の公共下水道事業は、むつ処理区が平成15年度、大畑処理区が平成16年度供用開始しているが、供用開始からの年数が浅く、各処理場施設や管渠自体の老朽化による更新はまだ行っていない。しかしながら、将来の更新を見据え、長寿命化対策や計画的な施設・機器更新を行うために、ストックマネジメント計画を策定する予定である。
全体総括
平成17年3月の市町村合併以降、各処理区毎にバラバラの料金設定であった使用料単価について、平成29年度より段階的に改定し、平成31年度に統一使用料とする予定であり、使用料収入を増収し安定した経営基盤を図る。また、今後の事業推進は、当市の人口集中地区であるむつ処理区を中心に主要管渠の延長と住宅街等の面整備を進めることとしており、経営規模を拡大させ汚水処理のコスト減に努めたい。そのためには、伸び悩んでいる水洗化率の向上が不可欠であり、補助金制度や貸付制度の周知・啓蒙活動をすることによって下水道接続促進を図ることとする。現状では処理場施設や管渠の老朽化・更新等は行っていないが、将来の施設更新を最適化し効率的に行うために、ストックマネジメント計画を策定し計画的で現実的な更新プランを検討したい。