経営の健全性・効率性について
・収益的収支比率事業規模が非常に小さいことにより給水収益が少額であり、比率が約70%程度である。一般会計からの基準外繰入に依存した経営状況となっていることもあり、H26年度から下水道使用料金と併せて、料金改定を実施した。その結果、H26年度では収益的収支比率も前年度対比で3%ほど増加したが、H27年度以降では維持管理経費に係る労務単価が上がったため、H26年度以前と同程度になっている。・企業債残高対事業規模比率事業規模が非常に小さく供用開始から10年程度しか経過していないことから、借入金は比較的少額で単年度の償還額も年々減少している。しかし、料金収入が非常に少額で分母が小さいため、H26年度料金改定以前は類似団体平均値を上回る状況であった。・経費回収率類似団体を下回る水準であったが、H26年度からの料金改定により、前年度対比で15%ほど増加したが、H27年度以降は使用料収入が減少したため、10%ほど減少しそのまま推移している。・汚水処理原価H26年度からH27年度にかけて処理区域内人口が減少した。そのため年間有収水量が低下し、汚水処理原価が前年度より75円ほど上昇した。H28年度では災害のため汚水処理費が増大したため、処理区域内人口は増加したが、汚水処理原価は10円程度上昇した。・施設利用率整備計画当初想定していた人口に比べ、現在の居住人口が少なく、類似平均団体を下回っている状況であったが、H28年度では処理区域内人口が増加したため、類似団体平均値を6%ほど上回った。・水洗化率全国平均、類似団体平均を大きく上回っており、下水道未接続による料金収入減少の影響は非常に小さい。
老朽化の状況について
・平成15年から供用を開始し、13年しか経過しておらず施設も比較的新しいため、現在のところ著しい老朽化はない。
全体総括
・事業規模が非常に小規模ということから、経営改善の取組みについて限度があるため、事業計画等の策定には現在のところ至っていない。今後については、下水道事業と併せて、事業の経営状況を正確に把握することを目標に、平成30年度までに全施設の資産台帳を整備し、総務省通知による公営企業法適用を行い、施設老朽化対策と会計の両面で実施可能な計画として再度見直しを行い、補助事業による更新事業採択を見据え、持続可能な下水道事業になるよう取り進める。また併せて下水道事業の高資本対策分交付税措置を講じるための要件となる経営戦略について、平成30年度中の策定を目指し、将来にわたり安定的に事業を継続できるように努める。