札幌市

目的別歳出の分析欄

令和２年度と比較すると、総務費は住民一人当たり３１，６６８円（前年比－９２，２５２円、－７４．４％）となっているが、これは主に特別定額給付金事業の終了に伴う減であり、類似団体中一人当たりコストは低い傾向にある。衛生費は住民一人当たり５５，７１０円（前年比＋２３，３９１円、＋７２．４％）となっており、主に新型コロナウイルス感染症対策の実施やワクチン接種による増であり、類似団体中６位と比較的高水準の状況である。商工費は住民一人当たり８９，４１６円（前年比３２，０００円、＋５５．７％）となっており、類似団体平均と比較すると大きく伸びているが、主に飲食店等感染防止対策協力支援の増によるものである。同じく、公債費も５４，６２７円（前年比＋８，８６３円、＋１９．４％）と、類似団体平均と比較し大きく伸びているが、国から交付された臨時財政対策債償還基金費を満期一括準備金として減債基金に積立てたためである。また、民生費は住民一人当たり２５８，４６４円（前年比＋３１，１２８円、＋１３．７％）となっており、住民税非課税世帯や子育て世帯への臨時特別給付金の増が大きな割合を占めているが、訓練等給付費や障害児通所給付費等の社会福祉費の増の影響もあり、臨時特別給付金の影響を除いた令和２年度との比較でも７１億円増加しており、民生費全体、ひいては一人当たりコストを押し上げる要因となっている。今後も少子高齢化等により財政需要はさらに拡大することが想定されるなか、将来世代に過度の負担を残さない持続可能な財政運営に努めていく。

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり６５３，４８１円（前年比＋４，６６２千円、＋０．７％）となっている。主な構成項目のうち、人件費は住民一人当たり８４，１７７円となっており、類似団体の中で最も低く推移している。引き続き、限られた人材の効率的・効果的な職員配置に努めていく。一方、物件費は住民一人当たり７４，８１９円（前年比＋２１，１２８円、＋３９．４％）となっており、主に新型コロナウイルス感染症経費の増（ワクチン・陽性者対応等）によるものである。また、補助費等は住民一人当たり７４，２７３円（前年比－６８，７９７円、－４８．１％）と大きく減となっているが、特別定額給付金事業が終了したことにより前年度から改善したものの、飲食店感染防止対策協力支援などの影響で、類似団体平均と比較すると最も高い水準となっている。維持補修費については住民一人当たり１９，１１２円（前年比＋３，４１７円、＋２１．８％）と類似団体平均の２．６倍だが、他類似団体ではほとんど行われてない除雪費が含まれていることが要因であり、直近５年の除雪費の決算額は平成２９年度から順に２０８億円、２１４億円、１９２億円、２０９億円、３１６億円となっている。さらに、扶助費についても住民一人当たり１９９，４１９円（前年比＋３３，１５８円、＋１９．９％）で類似団体中２位と負担が大きくなっている。住民税非課税世帯や子育て世帯への臨時特別給付金の増が大きな割合を占めているが、近年の厳しい社会情勢や高齢化、障がい者施策の充実等による社会福祉費や児童福祉費の増加傾向に変化が見られず、高い水準で推移していることも要因である。今後も、少子高齢化等により財政需要はさらに拡大することが想定されるが、将来世代に過度の負担を残さない持続可能な財政運営に努めていく。

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高い施設類型は、道路、児童館、公民館である一方、有形固定資産減価償却率が特に低くなっているのは認定こども園・幼稚園・保育所である。道路については、近年数値が高止まりしているが、計画的な維持・補修によって長寿命化を図るなど、老朽化対策に取り組んでいる。児童館については、学校施設への複合化や計画的な改修により、近年は数値が改善傾向にある。公民館の一人当たりの面積が、他都市と比較して特に低いが、これは本市の市民の活動拠点となる施設のほとんどが類型上は市民会館（分析表？参照）に分類されていることによるものである。二つの施設類型を合わせて考えた場合、一人当たりの面積は類似団体と比較して充実していると言える。

施設情報の分析欄

近年有形固定資産減価償却率が大きく低下している類型がいくつかあり、それぞれ要因は以下のとおりである。・図書館：図書・情報館の新設・消防施設：消防局庁舎の大規模改修実施・市民会館：市民交流プラザの新設・体育館・プール：中央体育館の改築