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地方財政ダッシュボード

山梨県上野原市の財政状況(2022年度)

🏠上野原市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

3ヵ年平均で見た財政力指数は、類似団体内平均・全国平均及び山梨県平均と比較すると、全てにおいて下回る結果となった。歳入面においては、市税収入については概ね横ばいで推移し、主要な税である個人市民税は人口減少・生産年齢人口の減少により減少、固定資産税も前年度比では増えているが、コロナ禍における軽減措置減収分の影響を踏まえると減少傾向と言え、これらを市たばこ税などが補っている状況であり、安定的な市税の確保という点では不安が残る。経常一般財源等については、全体としては前年度比減となり、普通交付税と各種交付金を合わせ77,708千円の減少となるなど、歳入全体では依然厳しい状況が続くものとみられる。歳出面においては、前年度から463,785千円増加しているが、これは令和2年度発生のゴミ処理施設火災賠償金の基金への積み立て、および、東部地域広域水道企業団が実施する令和3年度の生活基盤施設耐震化事業の多くが令和4年度に繰り越された関係で水道企業団への出資金が増加したことが大きく影響している。また、経常的な歳出において、物件費の需用費が117,600千円ほど増加しているが、学校給食費管理事業費の移管とともに、エネルギー価格の上昇に伴って光熱水費が43,659千円増加しており、更なる増加、高止まりに懸念が残る。将来的には、少子高齢化による民生費等の増加や、過去に整備した道路・橋りょう、学校・給食施設の更新も喫緊の課題として控えており、厳しい財政運営が予想される中、経費削減など行財政改革を推進し、計画的な行財政運営を行っていく必要がある。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、前年度から3.7ポイント増加し、87.0%となった。数値増加の主な要因としては、前年度と比較して経常経費充当一般財源等(分子)及び経常一般財源等(分母)共に減少したものの、経常一般財源等の減少幅の方が大きかったことによるものである。分母を構成する経常一般財源等においては、地方税収入がやや増加したものの、とりわけ普通交付税収入が前年度に比べて55,091千円減少したことにより、経常一般財源が74,408千円減少したことと、加えて臨時財政対策債が299,100千円減少している。分子を構成する経常経費充当一般財源等においては、職員数増加による人件費の増加や燃料費の高騰による物件費の増加があったものの、病院事業会計への繰出金の減少等に伴う補助費等の減少、主に合併特例債や緊急防災・減災事業債等に係る公債費が減少し、全体では32,089千円の減少となった。今後も引続き行政改革に取り組み、自主財源の確保及び経常経費の削減を図り、財政の健全化に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度に比べると7,825円増加し、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較すると上回る形となっている。増加の主な要因は、住民基本台帳人口が前年度に比べ減少したことと、学校給食費管理運営事業等により物件費が増加したためである。依然として人口減少傾向が続いているが、公共施設マネジメント計画に基づく公共施設の効果的かつ効率的な管理運営を推進し、職員の適正配置などと平行してコスト削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は、例年同様に全国平均を下回り、また類似団体平均についても下回る結果となった。直近5ヶ年の数値を見るとほぼ同水準を保っているが、今後も国や県などの動向を注視しながら、引続き給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たり職員数は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均との比較では全てにおいて上回る結果となった。直近5ヶ年の数値を見ると9人程度で推移しているが、職員総数は一定数を維持しており、特段過多といった状況ではない。しかし、市内人口が減少傾向となっているため、人口千人当たりの職員数はなかなか数値として改善しづらい状況となっている。今後は、多くの山間部地域を抱える地勢の中にあって、効率的な広域行政を検討するなど行政組織のスリム化に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費率は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較して、すべて上回る結果となり、前年度と比べて0.9ポイント悪化している。分子を構成する公債費等は、合併特例債等の元利償還金の減少などがあったものの、東部地域水道企業団による生活基盤施設耐震化等交付金事業の令和3年度からの事業の繰り越し分が令和4年度に行われたことに伴う負担金の大幅な増加などにより、前年度よりも54,428千円増加したうえ、普通交付税算入額が減少したことなどにより、分子全体では74,688千円増加した。分母を構成する普通交付税については、臨時財政対策債発行可能額が減少したことなどにより、標準財政規模が前年度に比べ202,665千円の減少となった。単年度の実質公債費比率は前年と比べ約1.5ポイント上がり、また数値の低かった令和元年度(単年度実質公債費比率10.49539)が算定から外れ、結果的に前年度に比べ0.9ポイント上昇した。今後については、発行期限が令和7年度まで延長された緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債などの交付税措置の優遇された地方債の集中的な発行も予想されることから、微増に転じていくものとみられ、合わせて公営企業への繰入金などの増加も見込まれるため、連結ベースでの財政健全化に努め、将来を見据えた比率抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較して、すべて上回る結果となっているものの、前年度と比べて12.9ポイント改善している。分母を構成する普通交付税が令和4年度普通交付税額の再算定によって、81,248千円が追加交付されたものの、臨時財政対策債発行可能額が昨年度と比べて、299,069千円減少したこと等で、標準財政規模の額が前年度に比べ202,665千円減となった。一方分子の方は、充当可能財源等の基準財政需要額算入見込額が前年度に比べて648,921千円減少したが、充当可能基金が前年度に比べて939,228千円増加したこと等により、充当可能財源等全体としては前年度に比べて285,519千円増加した。また合併特例事業債(前年度比-368,540千円)や緊急防災・減災事業債(前年度比-141,088千円)などの地方債残高が減少したことなどにより、将来負担額全体が前年度に比べて594,577千円減少した。結果、分母の減少額に対し、分子の減少額が上回ったため、前年度から-12.9ポイントとなった。今後においても、市債の新規発行額を元金償還額の範囲内に抑制するという基本スタンスを堅持しつつ、将来の負担を軽減できるよう、交付税措置を加味した適正な借入を行うなど継続して財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費は、類似団体内平均と山梨県平均を上回っているが、全国平均は下回っている状況である。分母となる経常一般財源等が前年度より減少したが、職員数の増加に伴い、分子の人件費充当一般財源等も増加したことにより数値が増加する結果となった。今後も引続き行政改革に取り組み、職員の適正配置や人件費削減に努める。

物件費の分析欄

物件費は、類似団体内平均、全国平均、山梨県平均と比較してすべて上回っている。その主な要因は、ごみ処理業務や消防業務の単独運営及び直営の保育所運営を行っているためである。なお、分子となる物件費充当一般財源等は、学校給食費管理運営事業等により増加したが、分母となる経常一般財源等が普通交付税を筆頭に減少したため、数値は前年度より0.9ポイント増加する結果となった。今後も引続き行政改革に取組み、コスト削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費は、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均と比較して、すべて大幅に下回っている。前年度よりも0.3ポイント増加したが、その主な要因としては、分母となる経常一般財源等が減少し、分子の扶助費充当一般財源等がわずかであるが増加したためである。また各平均より大幅に下回っているのは、当市は都心に近いという立地条件もあり、生活保護費の額が周囲と比べて低く抑えられているためと考えられる。今後においても、資格審査等の適正化を徹底するなど前年度に引続き財政圧迫を抑えるよう努める。

その他の分析欄

その他としては、類似団体内平均、全国平均及び山梨県平均を上回る結果となった。分子については、繰出金充当一般財源等が簡易水道事業特別会計への繰出金減少などにより減少し、分母となる経常一般財源等も普通交付税を筆頭に減少し、結果分子の減少幅を分母の減少幅が上回ったため、数値が若干増加した。今後も財政負担を軽減するため、保険料や使用料等の改定及び徴収率向上に努める。

補助費等の分析欄

補助費等は、前年度から0.1ポイント減少し、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均と比較して全てにおいて下回っている。主な要因としては、例年通り各種団体への補助金などを適正に交付しているためと考えられる。今後においても、補助金交付の適正化を徹底するなど前年度に引続き財政圧迫を抑えるよう努める。

公債費の分析欄

公債費は、前年度と比べて0.7ポイント上がっており、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均と比較しても高い数値となっている。上昇した要因としては、分子の公債費充当一般財源等の緊急防災・減災事業債や合併特例債等の元金の償還額が減少したことに伴う減少以上に、分母となる経常一般財源等が減少したことによるものである。今後については、発行期限が令和7年度まで延長された緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債などの交付税措置の優遇された地方債の集中的な発行も予想されることから、微増していくものとみられるが、これまで同様、実質負担額の増加を抑制し、事業の優先順位や必要性を十分精査して計画的な市債管理に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、前年度より3ポイント上昇し、未だ公債費の占める割合が大きいことから、類似団体内平均及び全国平均、山梨県平均よりも低い数値となっている。分母となる経常一般財源等が普通交付税を筆頭に減少したものの、分子の構成要素である人件費については、職員数の増加に伴い増加、物件費については学校給食費管理運営事業により増加しており、結果3ポイントの上昇となった。今後はより徹底した経費節減など行政改革を推進し、計画的な行財政運営に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり100,980円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。また、昨年度よりも大幅に増加した主な要因は、選挙施行経費やマイナンバーカードの申請受付等に係る経費を含む戸籍住民基本台帳費の増加によるものである。民生費は、住民一人当たり142,572円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは大幅に低くなっている。また、昨年度よりも減少した主な要因は、コロナにより影響を受けた子育て世帯や家計急変世帯を支援するための特別支援事業などの支出が減少したことによるものである。衛生費は、住民一人当たり76,779円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。これは、例年同様にごみ処理業務の単独運営を行っていることが主な要因と考えられる。商工費は、住民一人当たり11,409円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは低い状況となっている。また、昨年度よりも増加した主な要因は、新型コロナにより低迷した地元経済活性化のための商店街等応援事業、中小・小規模事業者等支援事業の増額によるものである。土木費は、住民一人当たり73,473円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。また、昨年度よりも増加した主な要因は、四方津駅周辺バリアフリー化事業や自然の里関連事業の増額によるものである。消防費は、住民一人当たり26,843円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。また、昨年度よりも減少した主な要因は、山梨県東部消防指令センター負担金の減少などによるものである。教育費は、住民一人当たり42,037円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは低い状況となっている。また、昨年度よりも増加した主な要因は、学校給食費管理運営事業費の皆増によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費は、住民一人当たり99,484円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。昨年度よりも増加した主な要因は、人口減少に加え、職員数の増加に伴い人件費そのものが増加したことによるものである。物件費は、住民一人当たり96,796円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。昨年度よりも増加した主な要因は、学校給食費管理運営事業などの実施により物件費が増加したことによるものである。扶助費は、住民一人当たり62,991円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは大幅に低い状況となっている。これは、当市が都心に近いという立地条件もあり、例年同様に生活保護費の額が周囲と比べて低く抑えられていることが主な要因と考えられる。補助費等は、住民一人当たり50,200円となり、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは低い状況となっている。昨年度よりも増加した主な要因は、中小・小規模事業者等支援事業費の増額などによるものである。普通建設事業費は、住民一人当たり67,273円となっており、類似団体内平均と比べて一人当たりのコストは低い状況となっている。昨年度よりも増加した主な要因は、四方津駅周辺バリアフリー化整備事業費の増額などによるものである。積立金は、住民一人当たり43,471円となっており、類似団体平均及び全国平均、山梨県平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。昨年度よりも増加した主な要因は、令和2年度発生のゴミ処理施設火災賠償金の基金への積立てやふるさと納税収入の増加に伴い、「ふるさとまちづくり基金」への積立てが増えたことなどによるものである。投資及び出資金は、住民一人当たり10,411円となっており、類似団体平均及び全国平均、山梨県平均と比べて一人当たりのコストは高い状況となっている。昨年度よりも増加した主な要因は、山梨県等東部地域広域水道企業団が実施する上水道事業(生活基盤施設耐震化等交付金事業)に対する出資金が大きく増加したことによるものである。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

例年同様に限られた厳しい財政事情の中で事業を実施しているが、一般財源の節減を図るため、補助事業や交付税措置に有利な地方債を積極的に活用している。財政調整基金については、中長期的な見通しのもとに、決算余剰金を中心に積み立てを行うとともに、他の特定目的基金とのバランスをとりながら必要最小限の取り崩しに努めている。令和4年度決算における実質単年度収支は、令和2年度に発生したゴミ処理施設火災の賠償金、令和3年度の繰越金を財政調整基金に積み立てたことにより、黒字となった。今後についても、これまでと同様に一般財源を節減することを目的に、補助事業や交付税措置に有利な地方債を積極的に活用するなど特定財源の確保に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

各会計において、実質収支がプラス、または剰余金があるため、例年黒字となっている。標準財政規模については、前年度と比較して、標準税収入額等は増加したが、普通交付税交付額及び臨時財政対策債発行可能額が減少しているため、全体としては減少となっている。実質収支及び剰余金・一般会計:549,305千円(前年度比:-88,688千円)・病院事業会計:229,836千円(前年度比:-25,664千円)・国民健康保険特別会計:33,926千円(前年度比:-11,229千円)・後期高齢者医療特別会計:897千円(前年度比:96千円)・介護保険特別会計:74,097千円(前年度比:11,581千円)・介護サービス事業特別会計:6,915千円(前年度比:1,124千円)・簡易水道事業特別会計:2,379千円(前年度比:-539千円)・公共下水道事業特別会計:351千円(前年度比:79千円)・その他(教育奨励資金特別会計):0千円(前年度比:0千円)標準財政規模:7,543,664千円(前年度比:-202,665千円)

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

本年度の実質公債費比率は、前年度と比較して0.9ポイント悪化している。分子を構成する公債費等は、合併特例債等の元利償還金の減少(前年度比-23百万円)や病院事業会計の準元利償還金の減少(前年度比-55百万円)があったものの、東部地域水道企業団による生活基盤施設耐震化等交付金事業の令和3年度からの事業の繰り越し分が令和4年度に行われたことに伴う負担金の大幅な増加(前年度比+132百万円)などにより、前年度よりも54百万円増加したうえ、普通交付税算入額が19百万円減少したことなどにより、分子全体では75百万円増加した。令和5年度以降は、防災・減災、国土強靱化のための5カ年加速化対策により、発行期限が令和7年度まで延長された、緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債などの、交付税措置の優遇された地方債の集中的な発行も予想されることから、微増していくものと考えられる。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

本年度の将来負担比率は、分子が880百万円減少したことにより、前年度と比較して12.9ポイント改善している。分子は、充当可能財源等の基準財政需要額算入見込額が前年度に比べて648百万円減少したが、充当可能基金が前年度に比べて939百万円増加したこと等により、充当可能財源等全体としては前年度に比べて285百万円増加した。また合併特例事業債(前年度比-369百万円)や緊急防災・減災事業債(前年度比-141百万円)などの地方債残高が減少したことなどにより、将来負担額全体が前年度に比べて594百万円減少している。今後については、地方債残高に伴い比率の減少が見込まれるが、将来の負担を軽減できるよう、交付税措置を加味した適正な借入を行うなど継続して財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)旧保育所2箇所の解体工事に係る経費の支出を補塡するため、公共施設整備基金約29百万円の取り崩しを行ったが、他方で、財政調整基金において令和2年度発生のゴミ処理施設火災賠償金約462百万円の積み立てなどを行ったため、基金全体としては852百万円の増加となった。(今後の方針)「ふるさとまちづくり基金」については寄附金が増加傾向にあり、今後も残高が増加していくものとみられる。「公共施設整備基金」については、今年度例年より多く取り崩すこととなったが、今後も老朽化が進むとみられる道路・橋りょうなどのインフラ資産の更新費用、市庁舎文化ホールの大規模修繕のために取り崩しを行っていくため、基金全体としては横ばいで推移していくものとみられる。財政調整基金については、今年度臨時的な多額の積立てを行ったが、中長期的な見通しのもとに、決算余剰金を中心に積み立てを行うとともに、他の特定目的基金とのバランスをとりながら必要最小限の取り崩しに努める。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度発生のゴミ処理施設火災賠償金約462百万円の積み立て等行ったため、財政調整基金残高は大幅に増加した。(今後の方針)厳しい財政状況の中、剰余金を積立てることが以前よりも困難になり、基金残高は減少傾向となっていくことが見込まれるが、健全な財政運営を実施していくことで、一定額の確保に努める。

減債基金

(増減理由)地方債の償還のため約10百万円を取り崩したため、減少している。(今後の方針)「臨時財政対策債償還基金費」のための積立てを予定していることにより、今後は増加していく見込みである。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の整備、維持及び更新の促進を図るもの地域福祉基金:住民が主体となって行う福祉活動の活発化を図るものふるさとまちづくり基金:まちづくりを支援する人々による寄附金を財源として、寄附者の社会的投資を具体化することにより、多様な人々の参加による個性豊かなふるさとづくりに資することを目的とする。(増減理由)公共施設整備基金:新田水防会館移転に伴う補償金など約17百万円を積み立てたが、旧保育所2箇所の解体工事などのため約34百万円の取り崩しを行ったことにより残高が減少した。地域福祉基金:敬老会運営事業に係る財源として約4百万円、各種福祉事業に係る財源として約1百万円を取崩したことにより残高は減少している。ふるさとまちづくり基金:商店街街頭LED化補助金のため2百万円、市役所敷地内広場整備工事のため約23百万円取り崩したが、ふるさと納税寄付金を約76百万円積み立てたため、残高は増加した。(今後の方針)公共施設整備基金:老朽化等に係る公共施設の整備、維持及び更新に係る財源として今後は減少していく見込みである。地域福祉基金:住民が主体となって行う福祉活動の活発化を図るため、引続き敬老会運営事業等の財源として減少していく見込みである。ふるさとまちづくり基金:充当する事業は毎年あるが、年々ふるさと納税寄付金額は増加しており、それに伴い残高は増加していく見込みである。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成27年度に策定、令和3年度に改訂した公共施設等総合管理計画において、今後40年間で建物施設の総延床面積を32%削減することを目標としている。有形固定資産減価償却率については、緩やかな上昇傾向にあり、類似団体内と同等の水準で推移している状況である。今後は、それぞれの公共施設等に係る個別施設計画の策定を推進し、当該計画に基づいた施設の適正な維持管理に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、類似団体内平均よりもやや低い水準で推移している。今後の債務償還比率は、大型事業の完了に伴って地方債の新規借入額が減少し、当面は償還額が借入額を上回ることで将来負担額を構成する地方債残高が減少することが見込まれ、指標としても減少していくことが見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は平成30年度より減少に転じているものの、類似団体内平均を大きく上回っている。一方で、有形固定資産減価償却率は増加傾向にあるとともに、令和元年度を境に類似団体内平均よりもやや高い水準で推移している。将来負担比率については、臨時財政対策債発行可能額が大きく減少したことなどにより標準財政規模の額が減少し、また地方債の新規発行額が元利償還額を下回ったことで、一般会計における地方債の現在高が減少しており、これにより将来負担額が大幅に減少したため、数値が減少している。有形固定資産減価償却率については、限られた財源の中で老朽化対策を行っている反面、単純に施設更新を行っているのではなく、可能な限り既存施設を有効活用することで財政負担を抑えている状況である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は近年減少傾向が続いているが、依然として類似団体内平均値を上回っている。実質公債費比率は令和4年度も増加しており、類似団体内平均値も上回る結果となっている。今後の将来負担比率は、大型事業の借入金の完済が進み、償還額が発行額を上回ることによって地方債残高の減少が見込まれるため、当面は比率の減少が見込まれる。一方で、実質公債費比率については、大型事業実施により発行された地方債の元利償還の開始や、公営企業に対する準元利償還金の増加が見込まれることから、将来を見据えた比率抑制に努め、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は【公営住宅】と【公民館】であり、反対に低くなっている施設は【認定こども園・幼稚園・保育所】と【橋りょう・トンネル】である。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、平成28年度に「上野原こども園」が新規開所されたことに伴って有形固定資産減価償却率は大幅に減少となっており、またこれにより、一人当たり面積についても大幅に増加した経緯がある。平成29年度は有形固定資産減価償却率及び一人当たり面積が前年度より減少しているが、これは、「上野原こども園」に統合された保育所のうち「上野原第一保育所」が除却されたためである。それ以降は両数値とも緩やかな上昇傾向が続いている。【橋りょう・トンネル】における有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均等と比較して下回っているものの、一人当たりの有形固定資産(償却資産)額は大幅に上回っている状況である。これは、市が管理する道路法上の橋りょうだけでも260橋以上、トンネルも7本あり、当市の地理的な特色に起因しているためと考えられる。【公営住宅】における有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均等と比較して大きく上回っている。これは、公営住宅の多くが昭和30年代から50年代の間に建設されているためであるが、公営住宅等長寿命化計画(令和3年2月策定)等に基づきながら、日々の維持管理を行っている状況である。【公民館】における有形固定資産減価償却率及び一人当たり面積は、類似団体内平均と比較して大きく上回っている状況である。これは、公民館として使用している施設の多くが、既存の旧小中学校の体育館を利活用しているためと考えられる。維持管理に係る経費の増加に留意しつつ、子育てや交通等の環境整備に積極的に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は【図書館】【市民会館】【庁舎】であり、特に低くなっている施設は【体育館・プール】と【福祉施設】である。【庁舎】については、建築から約17年経過しているため、有形固定資産減価償却率が類似団体平均と比較して高くなっていると考えられる。今後も維持管理に係る経費の増加に留意しつつ、引き続き適切な維持管理に努めていく。【体育館・プール】については、当市においてはプールのみの所有であるであるため、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が大きく下回っていると考えられる。これまでは電気設備や給湯設備等の設備系統の改修を行ってきたが、老朽化に伴って、いずれは施設本体の大規模改修が必要になってくると考えられるため、維持管理に係る経費の増加に留意しつつ、引き続き適切な維持管理に努めていく。【保健センター・保健所】については、平成29年度に「総合福祉センターふじみ」が新規に開設され、保健センターとしての機能も当施設に集約されたため、有形固定資産減価償却率及び一人当たり面積の数値は0となっている。【福祉施設】については、平成29年度に「総合福祉センターふじみ」が開設されたことに伴い、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較し大きく下回っており、一方一人当たり面積は高い状況となっている。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度と比べ845百万円の減少(△1.2%)となった。減少の主な要因は固定資産のインフラ資産についての減少である。インフラ資産は前年度より979百万円の減少(△2.78%)となっている。これは建物や工作物の減価償却累計額の増加によるものであり、固定資産、特にインフラ資産の老朽化が進んでいることを示している。上野原市の有形固定資産は全体の資産総額の79%を占めており、また維持管理や更新を伴うものであるため、公共施設等総合管理計画に基づき、適正な施設管理を行うよう努める必要がある。また、負債総額は前年度より671百万円の減少(△4.47%)となっており、主な原因は地方債の減少であある。これは合併特例債等の償還が進み、年度末地方債残高が705百万円の減少したことが主な要因となっている。全体について、資産総額は前年度と比べ1300百万円の増加(+1.68%)となり、負債総額は44百万円の増加(+0.24%)となっている。資産総額については特別会計等も含まれているため一般会計と比べ、9,236百万円多く、また負債総額は3,858百万円多くなっている。連結について、資産総額は前年度と比べ1,128百万円の減少(△1.24%)となっており、負債総額は173百万円の減少(△0.7%)となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計においては、純経常行政コストは10,755百万円となり、前年度と比べて633百万円の減少(△5.56%)となった。令和3年度も新型コロナウイルスの影響により様々な事業が行われていたため、本年度は前年度と比較するとどちらも減少している。なお、令和4年度についても、最も金額が大きいのは物件費等(5,102百万円)となっており、純行政コストの約半分を占めているが、前年度よりも減少している。減少した理由としては、減価償却費の減少が主な原因となっている。全体では一般会計等と比べ、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため経常収益は65百万円多く、また国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため移転費用が4,369百万円多くなっており、純行政コストが5,642百万円多くなっている。前年度と比べると純行政コストは1,328百万円減少(△7.48%)となっているが、依然として移転費用は高くなっている。連結では、一般会計等に比べ経常収益が404百万円多く、純行政コストは8,474百万円多い状況となっている。前年度と比べると純行政コストは2,968百万円減少(△13.36%)となっている。これは物件費等が前年度から516百万円減少(△7.4%)したことが主な原因となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等については、純行政コスト(10,773百万円)に対して税収等の財源(10,611百万円)が下回っており、本年度の差額は△161百万円、純資産残高は174百万円の減少(△0.31%)となっている。令和4年度についても差額はマイナスであるが純行政コストが減少している。財源についても減少しており、税収等・国県等補助金が共に減少したことが要因となっている。全体については、一般会計等と比べ財源は4,955百万円多く、15,566百万円となっている。ただし、純行政コストは16,415百万円であることから差額は△849百万円となっている。純資産残高も60,652百円となり、前年度と比べ1,256百万円の増加(+2.11%)となっている。連結については、一般会計等に比べ財源は7,688百万円多い18,299百万円となっているが、純行政コストが19,247百万円となっているため差額は△948百万円となり、純資産残高は65,479百万円(前年度比△955百万円)となる。一般会計等と連結については、本年度差額がマイナスとなっているものの前年度に比べ差額は少なくなっている一方、全体については、前年度よりも差額が大きくなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,771百万円で前年度と比べて148百万円の増加となった。また投資活動収支は△1,862百万円(前年度比△337百万円)、財務活動収支は△975百万円(前年度比△109百万円)となった。令和4年度の資金収支額は△66百万円となり、前年度末前年度残高777百万円を足すと、本年度末資金残高は711百万円となる。残高減少の主な原因は国からの補助金が減少したことである。業務活動収支について、前年度と比較し支出・収入どちらの面でも増加しているが、収入の方が大きく増加したことが要因となっている。全体では一般会計等と比べ、業務活動収支は29百万円多く、投資活動収支は182百万円、財務活動収支は90百万円少なくなっており、本年度末現金預金残高は129百万円多くなっている。前年度に比べ55百万円減少しているが、前年度は前年度末資金残高が本年度よりも475百万円少なく、本年度資金収支額のみで見ると530百万円の減少である。連結においては一般会計等と比べ、本年度資金収支額は224百万円少ない(業務活動収支増減:241百万円、投資活動収支増減:△389百万円、財務活動収支増減:△75百万円)。また、前年度と比べると本年度末資金残高は284百万円の減少となる。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、横ばいで推移しているものの、合併前に旧町村ごとに整備した公共施設が多数あり、類似団体平均値を上回っており、これは人口に対しての資産の保有が過大であることを示している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、上野原市公共施設等総合管理計画(平成28年2月策定・令和2年3月及び令和4年3月改訂)に基づき、平成27年度から令和36年度までの40年間を見通し、平成28年度を初年度として令和7年度までの10年間は計画期間とし公共施設等の集約化・複合化を進めるなど、施設保有量の適正化に取り組んでいる。歳入額対資産比率は、資産合計が減少、歳入総額が増加している。資産合計はこの5年間減少傾向にあるが、歳入総額は新型コロナウイルス感染症対策事業の補助金の影響で一時上がったものの本年度は例年通りの数値に戻りつつある。有形固定資産減価償却率については、類似団体と同程度の水準にあるが、整備から40年以上経過し更新時期を迎えている資産が多くあることから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は横ばいで推移し、類似団体平均値を少し上回る程度である。負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。このため、臨時財政対策債等の特例的な地方債を除いた地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均値を下回り、12.2%となっている。引き続き、市債の新規発行額を元金償還額の範囲内に抑制していくという基本スタンスを堅持しつつも、より交付税措置等の有利な事業債を活用していきたい。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、新型コロナウイルス感染症対策事業やひとり親世帯への臨時特別給付金給付事業などによる補助金等の金額の減少により純行政コストも減少しており、また類似団体平均値は下回っている。特に、業務費用のうち減価償却費や維持補修費を含む物件費等が約47%を占めており、住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっているため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約化・複合化を進めるなど、公共施設等の適正管理を進め、経費の縮減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値と同程度であるが、前年度から1.9万円減少している。地方債の大半を占める臨時財政対策債については、平成13年度から発行し続けており、残高が5,197百万円(地方債残高の約4割)となっている。基礎的財政収支は、前年度と同様に基金積立金支出及び基金取崩収入を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため1,813百万円となり、類似団体平均値を上回っている。経常的な支出を税収等の収入で賄えているため、業務活動収支は黒字となっているが、投資活動収支については上野原市役所敷地内広場整備など公共施設等の必要な整備を行ったため赤字となっている。公共施設等の適正な管理を行い、投資活動支出の縮減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率について、類似団体平均値を上回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は前年度と比較すると上昇した。要因は、経常費用は減少したものの経常収益が増加したことによるものである。経常費用については減価償却費の減少による減少、経常収益は令和2年度に発生したゴミ処理施設火災の賠償金が増加の主な要因である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,