石川県珠洲市の財政状況(2010年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2010年度)
財政力
類似団体内順位では下位で推移しているが、これは自主財源が少なく、財源を地方交付税等に依存していることを意味する。実際に歳入に占める交付税の割合は49.1%と非常に高く、国の動向に左右されやすい財政構造となっている。一方で過疎と高齢化、企業収益の悪化などにより住民税は減少傾向にあり、固定資産税についても地価の下落により同様である。具体的には類似団体の一人当たり税収は112千円であるが、本市は100千円(-12千円)である。今後は悪質な税滞納者には回収を強化するほか、新規企業の創業支援、風力・太陽光等新エネ施設の導入促進、世界農業遺産の活用など地域経済の活性化を図り、自主財源の確保に努力する。
財政構造の弾力性
平成16年度には100%を超えていたものの、平成17年度から実施した行財政改革により減少し、一定の効果を示している。平成22年度には新たな行財政改革プランを策定し、適正な予算執行に努めるとともに、人件費(退職手当(定年分))や公債費、補助費等(クリーン組合負担金・水道事業会計補助金等)の削減や交付税総額の大幅増加(+364百万円)によって、前年比-8.6%の88.7%まで減少した(一人当たりの経常的一般財源等(歳入)前年比+30千円、同じく経常経費に充当された一般財源等(歳出)前年比-2千円で比率を大きく軽減している)。交付税の占める要素は大きいものの、今後も人件費や公債費等、義務的経費の着実な改善に努め80%台前半を目指す。
人件費・物件費等の状況
平成22年度における人口一人当たりの人件費は90,891円(前年度比-1,385円)である。これは平成17年度策定の行財政改革大綱に基づき、退職者不補充をはじめとする組織のスリム化を実施した効果であるが、依然類似団体平均(@78,122円)を上回る水準であるため、今後も適正化に努める。また人口一人当たりの物件費・維持補修費は74,805円(前年度比+7,452円)と類似団体平均を上回っている(@66,890円)。平成22年度は重点分野雇用創出事業、ふるさと雇用再生事業の委託料や「住民生活に光をそそぐ交付金」を活用した保育所、図書備品が大きい。今後も適正な執行に努める。
給与水準(国との比較)
平成22年度における数値は92.8となっており、前年度の93.3と比較すると0.5減少した。類似団体では低い水準となっている。従来から給与水準は低い状態であったが、近年の退職者不補充により職員構成が高齢化し、指数が上昇傾向にあったが、平成18年度以来の減少となった。今後も適正な人件費を維持するように努める。
定員管理の状況
従来から広域な面積に対応するための施設の維持管理に必要な職員配置など、本市特有の事情もあり、類似団体平均を上回る状況(+2.88/千人)である。平成17年度策定の行財政改革大綱に基づき、退職者不補充による職員数の削減(H17~21で91人)を実施し、平成22年度は前年より2名減の217人(前年比+0.16/千人)となった。今後も類似団体平均を目標に、行政規模に見合った職員数となるよう引き続き努める。
公債費負担の状況
平成22年度は19.3%となり、前年度の20.5%から減少したものの、依然として高水準で推移している。一部事務組合への負担金、公営企業への繰出金が大きなウェイトを占めるほか、平成11年度以降に実施した大型事業の償還がピークを迎えていること等が原因である。今後は繰上償還の積極的実施や交付税措置の高い起債の割合を増やすほか、事業においても内容を精査し、緊急度や住民ニーズを的確に把握することで、地方債の新規発行や基準外繰出の抑制に努める。
将来負担の状況
前年度の109.0%から103.8%と5.2%減少した。主な要因としては、一般会計の地方債現在高の減のほか、職員数の削減による退職引当金の減、財政調整基金の積立による充当可能基金の増額等が上げられる。一方で水道・下水道の地方債現在高は増加傾向にあり、今後も普通建設事業の圧縮、新発債の発行抑制を継続し、健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2010年度)
人件費
経常収支比率における人件費の割合は19.6%と前年より-3.5%減少している。ラスパイレス指数は92.8となっており、類似団体平均を下回っている。これは、平成17年度から実施してきた行財政改革大綱に基づき、退職者不補充による職員数の削減や各手当の削減を実施してきた結果である。人員削減の当初目標は17年度から5ヵ年で82人としていたが、平成22年4月1日現在での削減数は91人と目標値を大きく上回った。H22においては退職手当(定年分:-108百万円)、職員数の減による職員給の減(-43百万円)が大きな減少要因となっている。今後は適正規模で人員補充を実施し、人件費抑制に努力する。
物件費
経常収支比率における物件費の割合は7.7%となっており、類似団体の中でも低い数値である。類似団体との人口一人当たり比較では総額で本市63,933円、類団60,118円と3,815円高い状況となっている。内容的には、民生費・衛生費の委託料が低く(それぞれ-1,873円、-1,534円)、労働費委託料(+4,811円)、商工費委託料(+1,556円)が高い。またここ数年間は臨時・嘱託職員が増加傾向にあり、類似団体との一人当たり比較では本市7,142円で類団6,464円となっている。今後も行財政改革により、類団平均より高い部門の削減に努める。
扶助費
経常収支比率における扶助費の割合は2.7%で、類似団体の中で最も低い数値となっている。最も大きな要因は少子高齢化による影響である。ここ数年、本市の出生数は年間100人を切り、逆に高齢化率では県内で一番高くなっている。このことから老人福祉では人口一人当たり2,605円で類似団体平均(2,339円/人)より大きいが、児童福祉費では18,723円で類似団体平均(33,858円/人)を大きく下回る結果となっている。また生活保護費も6,852円で類似団体平均10,056円であり、都市部と比較しても低い数値で推移している。社会構造上この数値が大きく変動することは考えにくく、引き続き適正な執行に努める。
その他
その他の中で経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金が主な要因であり、中でも特別会計への繰出金増加が顕著である。公共下水道事業ではこれまで整備してきた下水道施設(バイオマスメタン発酵施設含む)の維持管理費等が増嵩し、人口一人当たり19,396円で類団平均(11,288円)を大きく上回っている。今後は経費の節減、接続率向上に向けた取り組み、浄化槽事業との併用を図り、健全化に努める。また高齢化の進む本市において、介護保険や後期高齢者への繰出しも増加しており、人口一人当たり39,960円で類団平均の26,273円を上回っている。社会構造上、やむを得ない部分であるが、下水道事業等とも併せ、財政の健全化に努める。
補助費等
経常収支比率における補助費等の割合は20.4%(前年比-2.1)で、類団平均を上回っている。人口一人当たりでは保健衛生費42,074円(類団9,028円)、清掃費22,902円(類団8,571円)と相当高い数値となっている。要因は奥能登クリーン組合への負担金、水道会計への補助金、病院会計への負担金・補助金等が有る。クリーン組合では平成18年度から施設建設に係る元金償還が始まり、高水準で推移している(負担金はH29迄)。水道会計では19年度繰上償還による資本費の減、病院会計では繰出基準に沿った繰出金が増している。各種団体への運営補助等は17年度から実施してきた行財政改革に基づき、引き続き抑制に努める。
公債費
経常収支比率における公債費の割合は22.0%(前年比-1.9)で、類似団体平均は上回っているものの、ここ数年は確実に減少傾向にある。平成13年度以降、鉢ヶ崎地区での温浴施設整備や第14回日本ジャンボリー開催に伴う野外施設整備、多目的ホール整備と大型事業が集中し、その元金償還のピークが平成21年度となり指標を押し上げている(人口一人当たり100,853円、類似団体平均は72,158円)。今後も繰上償還を実施するとともに、事業計画等において事業の緊急性や優先度を精査することにより、交付税措置の高い起債の選択や、地方債の新規発行の抑制に努め、公債費負担の適正化を図っていく。
公債費以外
公債費を除く経常収支比率は65.7%で前年より-7.7%。人件費で-3.5%、補助費等で-2.1%。類似団体では中程の値。H22においては普通交付税と臨財債で前年比+427百万円。分母増加効果あり。人件費では退職手当の減(定年分)と職員数の減による給与額の減が大きい(-154百万円)。補助費等ではクリーン組合負担金の減(旧内浦町分加入による)や水道事業会計補助金の減(H19繰上償還による資本費減に伴う補助金減)等あり(-49百万円)。補助費に関しては今後も高水準で推移すると見込まれるが低減化に努力していく。
実質収支比率等に係る経年分析(2010年度)
分析欄
H15以降、国の三位一体の改革により交付税は大幅減となったが(H136,438百万円→H155,741百万円)、H17に集中改革プランを策定・実施し、健全化への取り組みを開始した。H18~20にかけて人件費は約1割の削減したが、H19,20には繰上償還を実施したことで公債費が増加し、実質収支の悪化要因となった。一方でH21~22にかけては人件費がH18と比べ約3/4にまで削減でき、歳入ではH22に交付税が大幅に増加(前年比+365百万円)したことが実質収支額好転の大きな要因である。今後も定員適正化による人件費縮減や有利な起債の選択による公債費抑制に努め、収支改善を図っていく。財政調整基金については行革効果もありH18以降取り崩すことなく、積立を継続している(H181,046百万円→H221,451百万円)。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2010年度)
分析欄
過去5年間、全会計において実質赤字は発生していない。構成のうち上位3会計は①病院事業会計、②水道事業会計、③一般会計である。H22資金不足額については、病院会計で-1,519百万円、水道会計で-982百万円である。病院会計ではH20に診療報酬改定から収支状況が悪化し収益的収支-255百万円となった。同年病院改革プランを策定し、H22には改革プランの効果もあり、収益的収支が好転した(-27百万円)。現金を含めた流動資産はH191,946百万円、H201,752百万円、H211,930百万円、H221,992百万円で推移している。H23以降も薬剤SPDの導入による材料費削減効果により、これまで以上の収支向上を見込んでいる。また、それに伴い流動資産の増加も期待している。水道会計ではH19~21に掛けて補償金免除繰上償還を実施した(H19376百万円、H20336、H21394)。それに伴い現金預金が減少し、H21までは流動資産は減少しているが(H191,024百万円→H21830百万円)、H22は1,067百万円まで回復した。今後も積み増しが見込め、構成規模も増加予定されている。一般会計についても、行財政改革の効果と交付税の増額でH22は標準財政規模比が増加した(H225.41、前年比+2.83)。今後数年間は交付税の大幅減額がない限り、安定した運営が可能であり、余裕資金は繰上償還や消防庁舎建設資金に投資する予定である。
実質公債費比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
元利償還金(普通会計)についてはH21に一旦増加したがH22に減少した(1,753百万円、前年比-31百万円)。要因の一つとしてはH9に借り入れた地総債が完済したことによるものである。普通会計算入公債費等は前年比+73百万円であり、H17過疎債667百万円(多目的ホール建設等)の元利償還発生の影響が大きい(+47百万円)。普通会計の実質公債費額は624百万円となっている(前年比-104百万円、単年-2.6ポイント。以下p)。公営企業繰入金も減少している(824百万円、前年比-50百万円)。主な理由として病院事業は元利償還金の減-11百万円、水道事業はH19繰上償還による資本費減に伴い高料金対策繰出の減-20百万円、下水道事業は分流式下水道に要する経費の減等で-19百万円となっている。また、公営企業の算入公債費等は、前年比-28百万円となり、下水道事業の減が大部分である(資本費平準化債の増等)。企業会計の実質公債費額は399百万円となっている(前年比-22百万円、単年-0.9p)。組合関係負担金は、ほぼ横ばいの201百万円となっている(前年比-2百万円)。一組の実質公債費額は106百万円であり(前年比-0百万円、単年-0.1p)奥能登クリーン組合への負担はH29まで継続予定である。これらから都市計画税充当額154百万円(前年比+1百万円、+0.2p)を控除し、実質公債費比率の分子は984百万円となっている(前年比-129百万円、単年-3.4p)。今後も繰上償還の実施や交付税措置の高い有利な起債を選択し、比率低減に努力する。
将来負担比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
将来負担額は年々減少にあるが、主な要因としては、H19~21にかけて行われた補償金免除繰上償還による普通会計地方債残高の減(-261百万円)や財政調整基金(+105)、減債基金(+228)、消防庁舎建設準備基金(+300)等の積立による充当基金の増額が上げられる。また奥能登クリーン組合を主とする一部事務組合の地方債現在高も減少する見込みである(-255:構成市町按分率の見直し)。一方で企業会計については、水道で「準元金/元金」の割合増による将来負担の増(+488:高料金対策経費の増)、下水道の蛸島地区新規展開による新発債の増(+255)等がマイナス要因となっている。特に蛸島地区についてはH26完了予定であるが、新たに上戸地区の計画があり下水道事業会計の負担減少は見込めないため、今後も公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を進め、財政の健全化に努力する。
よくある質問
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石川県珠洲市の2010年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
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