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地方財政ダッシュボード

茨城県笠間市の財政状況(2018年度)

🏠笠間市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、平成26年度算定で0.63だったが、平成30年度は0.61と5年間で0.02低下している。基準財政収入額は、平成26年度に約83.2億円であったが、固定資産税や地方市町村民税、消費税の増により、平成30年度は89.6億円(前年度比約1.9億円増)となった。また、基準財政需要額は、平成26年度は129.3億円であったが、臨時財政対策債償還費や合併特例債償還費の増により、平成30年度は146.9億円(同約2.5億円増)となった。類似団体との差は、平成27年度の国勢調査結果が加味され、類似団体平均が0.1低下したことから、ほぼ同値だった平成26年度より大きく開いている。今後とも、第3次笠間市行財政改革大綱に基づき、事務事業の見直しや定員管理・給与の適正化等に取り組みながら、企業の誘致や税の徴収率向上など歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、職員の採用抑制を行っているものの合併特例債等の公債費が年々増加しており経常経費が増加。平成26年度算定で89.9%だったが、平成30年度は90.2%と5年間で0.3ポイント増加している。平成29年度は、歳入が多かったことに加え、職員数・退職者数が減り、人件費が減額となったことから89.3%(前年度比1.0ポイント減)となった。平成30年度は、地方交付税の減により歳入が減少したことに加え、義務的経費、物件費が増加したことから90.2%(前年度比0.9ポイント増)となった。今後も合併特例債の活用等による公債費の増や、生活保護費等の扶助費の増が見込まれるため、税収等の徴収率向上等による一般財源の確保に努め、職員の採用抑制や、民間委託の推進等事務事業の見直しを行い経常経費の縮減を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、退職者補充のための新規職員採用を抑制しており、5年間で3.2%減少している。平成29年度と比較して職員数が減少したこと等の要因により、前年度比0.1%の減となった。物件費については、地域交流センターともべ・いわまに関する費用や分別収集事業や中学校のパソコンリース料などの契約更新により増となった。類似団体平均値と比較して約10,000円下回っており、今後も職員定数の削減や給与費等の適正化、民間委託等の推進を中心とした事務事業の見直し等によるコスト低減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成26年度と比較すると0.3ポイント増加しているが同程度で推移している。経験年数階層内における職員の分布が変動したこと等の理由による。人事評価の反映による適正な人事運用により経費の抑制に努めているところだが、今後も見直しを図りより一層の給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たり職員数では、平成18年の合併で広域消防が市の行政機関となったことなどにより、平成26年度類似団体平均値を上回る7.82人だったが、平成30年度には7.85人で0.03ポイントの増となった。平成29年度と比較して増加した要因は、職員数は同水準で推移しているが、人口が減少が進んでいるため指標は0.09ポイント増加となった。今後とも民間の活用など効率的な行政運営により、行政分野ごとの適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、平成26年度算定で9.5%だったが、平成30年度は8.2%と5年間で1.3ポイント低下している。平成30年度は、合併特例債・臨時財政対策債の償還金増に伴う公債費算入額の増、標準税収入額等の増により、前年度に比べて0.2ポイント減少している。今後は、臨時財政対策債の発行や合併特例債等の活用を進めることにより、償還額は増するものの交付税算入率が高いことから、実質公債費比率の減少が予想されるが、普通会計を始め公営企業会計等も含め、事業の選択と集中を進め、適正な地方債の発行に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、平成26年度算定で35.2%だったが、平成30年度は7.0%と5年間で28.2ポイント低下している。平成30年度は、起債の償還額が起債の発行額を上回ったことによる地方債残高の減及び、公営企業債残高減少に伴う繰入金の減により、前年度に比べて13.7ポイント減となっている。また、類似団体平均値と比較して、平成29年度も9.3ポイント、平成30年度は18.4ポイント下回っており、良好な数値となっている。今後、地方債現在高の増や、特定目的基金の取り崩しによる充当可能基金現在高の減少が見込まれるため、将来負担を少しでも軽減するよう、普通会計はもとより、公営企業会計さらには一部事務組合等の事業についても総点検を実施し、財政の健全化を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

類似団体平均値を上回っている要因として、合併により広域消防が市の行政機関となったこと、笠間市では地域手当が3%支給されていることなどが挙げられる。職員数は減少したが再任用職員の増加により歳出額は増加。分母である経常一般財源も減少したことから、人件費の比率についても前年度比増加した。退職者補充のための新規職員の採用抑制や事業の民間委託等の実施など今後も適正な人員管理により人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

平成26年度は類似団体平均値と同程度であったが、専門性の高い業務の委託や、既存業務の外部委託等により年々増加傾向にある。平成30年度は、地域交流センターともべ・いわまに関する費用や分別収集事業や中学校のパソコンリース料などの契約更新により歳出増となった。今後も委託料の増や施設の老朽化に伴う管理運営費の増など、物件費の増加が予想されるが、長期的な視点から必要性等を検証し、抑制に努める。

扶助費の分析欄

平成26年度から平成27年度までは、類似団体平均値より2.0ポイント前後低い水準で推移していたが、平成28年度は認定こども園運営事業を補助費から扶助費に修正したことや障害者自立支援給付費・生活保護費の伸び等に伴い、類似団体平均値より0.3ポイント低い9.8%となっている。平成29年度は障害者自立支援給付事業の増額等の要因により、決算額としては増額とはなったが、歳入増のため比率としては9.5%となり前年比減となった。平成30年度についても引続き障害者自立支援給付事業の増額傾向が続いており平成29年度と同水準となった。扶助費に係る経常収支比率は今後も上昇が見込まれる。単独扶助事業の見直しや、扶助対象者の資格審査の適正化等により扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

平成26年度は16.5%と公共下水道の維持補修費や繰出金の増などにより年々増加傾向にあったが、平成30年度に公共下水道事業の法適用に伴い繰出金が減少したことから、前年度比1.7ポイント減の13.6と類似団体平均値を1.7ポイント下回っている。

補助費等の分析欄

類似団体平均値を下回っている要因として、広域消防を合併により市の行政機関としたことが挙げられる。平成30年度は、公共下水道事業の法適用に伴い,高資本費対策補助金や企業債利息負担金等の純増等により比率が増となった。前年度比3.0ポイント増の9.8%と類似団体平均値を0.3ポイント下回っている。今後も補助金の見直しを行うなど適正な水準で推移するよう努める。

公債費の分析欄

合併以前の旧3市町において地方債の発行を抑えてきたため、類似団体平均値と比べて低い水準で推移しており、平成30年度は類似団体平均値より1.6ポイント低い16.7%となっている。平成30年度は、合併特例債の元金償還額の増や市営住宅使用料の起債残高減少による特定財源の減等,分母である経常一般財源等の減により比率は増となった。今後も臨時財政対策債や合併特例債の発行如何によっては、公債費に係る経常収支比率の上昇が予想されるため、適正な市債の発行により、毎年度の元利償還金の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

平成26年度以降類似団体平均値を上回った水準で推移している。平成30年度は人件費をはじめ物件費、補助費等増加したため、前年度比0.3ポイント増の73.5%となった。補助費等、扶助費、その他が平均を下回っているため類似団体平均値を下回っている。今後も全体的な経常経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均に比べ、平成30年度に高くなっている項目はない。総務費については、公共施設長寿命化に伴う基金の積立や企業立地に伴う事業等の要因がなくなったため45,552円(前年度比40.3%減)となる衛生費については、福田地区地域振興整備事業や病院事業支出金(建設改良費出資金)等の要因がなくなったため30,285円(前年度比約38.6%減)となる。教育費については、小学校校舎空調整備事業や笠間公民館リニューアル事業、筑波海軍航空隊記念館整備事業等の臨時的経費の影響がなくなったため、44,777円(同約29.0%減)となる。今後は建物の老朽化による大規模改修等が予想されることから、施設管理の適正化に努める。今後、推移を考慮しながらサービスの低下に繋がっていないかなど注視していく必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

平成30年度は、投資及び出資金のみが類似団体平均を上回っている。投資及び出資金については、公共下水道事業の企業会計変更に伴い、前年比528円増の3,514円となった。繰出金の主な減要因も同様である。物件費の増加については基幹系システム機器更新に伴うもの等の要因により、前年比4,599円増の62,451円となった。今後、推移を考慮しながら、類似団体等と比較してサービスの低下に繋がっていないかなど注視していく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

標準財政規模比の財政調整基金残高は、平成28年度41.20%であったが、普通交付税の合併算定替や、公共施設の老朽化対策等が要因で、平成30年度には37.09%まで減少している。実質収支については、3~4%台とほぼ同水準で推移している。実質単年度収支は、平成26年度に財政調整基金を658,451千円取り崩したため-3.07%、平成29年度についても財政調整基金を673,807千円取り崩したためマイナスとなった。平成30年度は、分子である実質単年度収支が前年度と比べ687,407千円増加し、分母である基準財政規模が88,852千円増加したことから、+0.3%となった。今後も財政健全化の推進を図るため、事業の選択と集中を進め、適正な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

全会計の合計で毎年黒字を維持している。黒字額の構成比が高いのは水道事業会計で、平成25年度から13%台の黒字を維持していたが平成30年度有価証券1,000百万購入に伴い流動資産が減少し黒字額が減少したため9%台に減少した。一般会計は、3~4%台の黒字を維持しており、平成30年度は,笠間公民館リニューアルや市民センターいわま大規模改修事業等の整備完了や臨時福祉給付金事業の皆減等から収支改善し4.12%となった。また、国民健康保険特別会計は、保険税等の歳入が減少したこと等により、0.13%となり、介護保険は、保険料や国庫支出金などの歳入が増加したこと等により、0.72%となった。今後も全会計合計の黒字を維持できるよう、経費の適正化、収入の確保に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

元利償還金は、平成26年度から平成30年度の5年間で199百万円(約6.2%)増加し、3,193百万円となった。臨時財政対策債や合併特例債等の発行が主な要因であり、平成30年度については平成29年度と比較し、起債発行額が1,375百万円減少(平成29:3,648百万円、平成30:2,273百万円)し、元利償還金を下回った。公営企業債の元利償還金に対する繰入金については概ね同水準の1百万の増加。組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等は、笠間地方広域事務組合の元利償還額が減少となったことから、6百万円の減となった。参入公債費等は、臨時財政対策債や合併特例債などの公債費算入額が増加したことから、3,084百万円となった。適正な地方債発行より、毎年度の元利償還金と実質公債費比率上昇の抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担額(A)を構成する一般会計に係る地方債の残高は、臨時財政対策債や合併特例債等の発行額が年々増加していたが、平成30年度は償還額が発行額を上回った。平成26年度から平成30年度の5年間で1,226百万円(約4.0%)増加した。公営企業債等繰入見込額は、公営企業の地方債現在高の減少による繰入見込額が減少したことから、平成30年度16,443百万円となった。充当可能財源(B)についても、合併特例債償還に係る交付税措置等により基準財政需要額算入見込額も平成26年度と30年度の比較で1,942百万円(約5.4%)増加した。充当可能基金は、各基金積立等により、平成30年度15,517百万円となった。今後も公共施設の老朽化に伴う大規模改修が予定されており、地方債の発行が増加するようなことがあれば、将来負担比率の分子は増加することが見込まれる。一般会計はもとより、公営企業会計、一部事務組合等でも事業の総点検を図り、今後も財政の健全化を推進する。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)企業立地促進のための企業立地促進基金や福ちゃんの森公園の運営のための福ちゃんの森公園管理運営基金を積立したため基金全体として増加した。(今後の方針)社会保障関係経費の増加や公共施設等の老朽化対策等に係る経費の増大が見込まれることから基金全体として減少していく見通し。

財政調整基金

(増減理由)歳入歳出差額1百万を積立したため増加した。(今後の方針)合併算定替による普通交付税措置額等を踏まえ、必要と考えられる額を、決算状況を鑑み可能な範囲での積立する方針。

減債基金

(増減理由)利息等1百万積立したため増加した。(今後の方針)地方債の発行残高の増加に伴い償還額の増加が予想される。決算状況を踏まえ、適正な残高を維持していく方針。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共建築物長寿命化等対応基金:笠間市公共施設等総合管理計画における公共建築物の長寿命化や総量削減の趣旨に沿った経費に充てるまちづくり振興基金:市民の一体感の醸成及び地域振興地域福祉基金:地域における高齢者保健福祉の推進及び民間福祉活動に対する助成等(増減理由)企業立地促進基金:今後企業の誘致に向けて基金を積立したため増加した。(今後の方針)公共建築物長寿命化等対応基金:公共建築物の老朽化が進んでおり、決算の状況を鑑みながら、積立を行っていく方針。企業立地促進基金:引続き企業誘致に伴い支出が見込まれている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については、類似団体平均と比較し、地域交流センター等、公共施設の建築や、公民館をはじめとした公共施設の大規模修繕が続いていることから低位で推移している。しかしながら50%を上回っており、老朽化が進行していることから、今後は公共施設等総合管理計画に基づき施設の統廃合や、大規模改修を実施し適切に管理していくことが必要である。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率については618.9%と類似団体平均を下回った。債務償還比率の分子を構成する将来負担額については市債の発行金額を償還額が上回り減少したため債務償還比率は減少した。今後は合併特例債等の市債発行額の増加が見込まれることから分子の増加が予想される。分母を構成している経常一般財源等については今後消費増税の影響で増加が期待されるが、人口減少が続いており長期的にみれば減少が見込まれる。以上から今後債務償還比率について増加が予想される。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は市債の発行額を償還額が上回ったことで将来負担が減少したため平成29年度から大きく減少した。大規模修繕を行っているものの、減価償却が上回っており、有形固定資産減価償却率は0.4ポイント増加している。大規模改修含め修繕費等が増加傾向にあるため、今後は策定予定の学校施設長寿命化計画等に基づき,老朽化した施設の修繕費用の平準化を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、市債残高の減少等により、平成29年度と比較し13.9ポイント減少している。合併特例債・臨時財政対策債の償還金増に伴う公債費算入額の増、標準税収入額等の増により、実質公債費比率はH29年度と比較し0.3ポイント減少している。今後も庁舎改修や学校施設改修による起債の発行も予定しているため、事業の選択と集中を進めるとともに、財政措置のある借入を行うなど、財政の健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、特に高くなっているのが「認定こども園・幼稚園・保育所」及び、「学校施設」であり、特に低くなっているのが「児童館」である。認定こども園・幼稚園・保育所については、かさまこども園を平成27年度、いなだこども園を平成28年度に新設したため、類似団体と比較し低い水準となっていたが、2園の民営化に伴い本調査の対象から外れたため有形固定資産減価償却率が大きく増加した。一人当たり面積については、施設の統廃合や民営化により市の施設が2施設となっていることから類似団体と比較し0.108ポイント低くなっている。学校施設については、平成30年度時点で類似団体と比較し10.9ポイント上回っており、老朽化が進んでいる。令和2年に長寿命化計画の策定を予定しており、計画的に大規模改修等を進めていく予定である。児童館については、行政で施設管理しているのは平成23年度建築した1箇所のみのため、類似団体と比較し23.5ポイント下回っている。同じ理由から一人当たりの面積についても類似団体と比較して0.019ポイント下回っている。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、特に高くなっているのが「一般廃棄物処理施設」及び「体育館・プール」であり、特に低くなっているのが「図書館」及び「市民会館」である。図書館については、簿価の大半を平成15年に建設した笠間図書館が占めており、耐用年数が50年と長期のため類似団体と比較し低位で推移している。一人当たり面積については3地区それぞれに図書館を有していることから、類似団体と比較し0.037ポイント上回っている。一般廃棄物処理施設については、業務委託している3つの一部事務組合の施設とも、償却率約80%以上と老朽化が進行している。体育館・プールについては、笠間市民体育館の当初の建築費が簿価の大半を占めている。平成24年から平成25年にかけて大規模改修を実施しているが、昭和46年当初の建築費の割合が大きいため、類似団体と比較し平成30年度時点で18.9ポイント上回っている。市民会館については、地域交流センターが友部地区と岩間地区にそれぞれ平成28年度、平成29年度に完成したばかりのため低い値となっている。一人当たり面積については建設した2施設のみが該当施設のため類似団体と比較して0.077ポイント下回っている。保険センター・保健所について、地区毎にあったものを地域医療センターかさまに集約したため一人当たり面積が減少した。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の平成28年度から平成30年度までの3年間において、資産と負債の金額に大きな変化は見受けられない。一方で、全体においては平成30年度と平成29年度を比較すると資産が28,979百万円、負債が28,780百万円増加している。この主な要因は公共下水道事業特別会計にある。公共下水道事業特別会計は平成28・29年度において法適用の移行期間であったことから連結対象から除外していたが、平成30年度に法適用が完了したことから連結対象とした。公共下水道事業特別会計の平成30年度における資産は31,008百万円、負債は29,961百万円となっていた。公共下水道事業特別会計による変動の影響を除くと、すべての会計区分で平成28年度から平成30年度までの3年間の間に大きな変動はなかった。平成30年度における一般会計等と全体を比較すると資産に52,394百万円の差額があるが、これは主に公共下水道事業特別会計のインフラ工作物25,773百万円、水道事業会計のインフラ工作物8,100百万円等が要因となっている。また負債は40,441百万円の差額があるが、これは主に公共下水道事業特別会計の地方債13,810百万円、農業集落排水事業会計の地方債3,661百万円、水道事業会計の地方債2,240百万円等が要因となっている。平成30年度における全体と連結の資産、負債には大きな差異は見受けられない。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

行政コストについて平成28年度から平成30年度までの3年間の推移をみると、一般会計等については平成29年度に例年よりやや多くの行政コストがかかっていたことが分かる。この主な要因は平成29年度の一般会計等において、病院会計事業会計に対する投資損失引当金を402百万円計上したこと、及び公共下水道事業特別会計に対する繰出金840百万円を支出していたことがあげられる。平成30年度にはこれらの支出がなくなったため、一般会計等の純行政コストをを平成29年度と比較すると1,175百万円減少した。全体会計の純行政コストについて平成29年度と比較すると1,622百万円減少している。公共下水道事業特別会計が連結対象に加わったことで純行政コストが1,200百万円増加したが、国民健康保険特別会計において純行政コストが1,435百万円減少したため、合計では1,622百万円の減少となった。全体会計と連結会計の純行政コストを比較すると例年6,000~8,000百万円程度の差異が生じている。このことから第三セクターや一部事務組合広域連合等の外郭団体において例年6,000~8,000百万円程度の純行政コストが発生していることが分かる。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において純行政コストが25,534百万円となり財源24,875百万円を上回った。このため本年度差額は659百万円のマイナスとなり、純資産残高が減少した。全体会計において純行政コストが39,192百万円となり財源38,652百万円を上回った。このため本年度差額は540百万円のマイナスとなった。一方で公共下水道事業特別会計を連結対象に加えた影響で純資産残高は当該会計分(1,047百万円)増加し、平成29年度と平成30年度を比較すると純資産残高は199百万円増加した。連結会計において純行政コストが46,942百万円となり財源46,289百万円を上回った。このため本年度差額は653百万円のマイナスとなり、純資産残高が減少した。平成29年度と平成30年度の純資産残高を比較すると公共下水道事業特別会計を加えた影響から60百万円増加した。一般会計等の平成28年度から平成30年度までの3年間において純資産残高の推移をみると減少傾向にある。毎年純行政コストが財源を上回り本年度差額がマイナスとなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支の平成28年度から平成30年度までの3年間の推移をみると、すべての会計区分において平成29年度に落ち込んでいるが、平成30年度には増加に転じている。平成29年度は補助金等の支出がかさみ業務活動収支が落ち込んだ。平成30年度には補助金等の支出が減少するとともに公共下水道事業特別会計に対する繰出金支出がなくなった。このため平成30年度において業務活動収支は大幅に上昇した。投資活動収支の平成28年度から平成30年度までの3年間の推移をみると、すべての会計区分において平成29年度に上昇し、平成30年度に減少している。平成29年度は公共施設等整備費支出が例年よりも大きかったが、一方で基金取崩収入と国県等補助金収入が公共施設等整備費支出を上回って大きかったため投資活動収支は例年に比べて上昇していた。財務活動収支の平成28年度から平成30年度までの3年間の推移をみると、すべての会計区分において平成28年度から平成29年度は横ばいであるが平成30年度に大きく落ち込んでいる。平成30年度は例年と同程度の地方債償還を行っている一方で、例年より地方債発行が少なくなっていた。このため財務活動収支は平成30年度において減少した。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は128.1万円、歳入額対資産比率は3.29年となっており、両指標とも類似団体平均値を下回っている。これは取得価格が不明である道路や河川の敷地を、備忘価格1円で評価しているためである。類似団体と比較し土地の簿価が少ないことから、今後は備忘価格1円の評価替を徐々に進めていく方針である。平成28年度から30年度までの推移をみると住民一人当たり資産額、歳入額対資産比率ともにほぼ横ばいとなっている。有形固定資産減価償却率は54.3%となっており、類似団体平均値と比較して下回っている。交流センターなど新規資産の建設や大規模修繕を積極的に行った結果、類似団体と比較して資産の老朽化の程度を低く抑えることができている。平成28年度から30年度までの推移をみると有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあり、資産の老朽化が進行している。※住民一人当たりの数字がホームページで公表している数字と相違しているのは人口の集計時期の違いである。以下の指標も同様。(平成29年3月31日77,271人、平成30年3月31日時点76,665人、平成31年3月31日76,068人で計算)

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は63.1%となっており類似団体平均値を下回っている。資産の状況で説明した通り、取得価格が不明なものを備忘価格1円で評価しているため、純資産及び資産合計においてそれぞれ1円となっていることが主な要因である。備忘価格1円の評価替を行う事で純資産比率の改善を図っていく。将来世代負担比率は19.6%となっており前年度と同程度である。平成28年度から30年度までの推移をみると純資産比率はほぼ横ばいとなっている。一方で将来世代負担比率は平成30年度に0.6ポイント減少している。地方債の借入額を返済額が上回り、地方債残高が減少したたためである。※ホームページ公表している公表値との違いは、臨時財政対策債などの特例地方債を控除していないことによるものである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは33.4万円となっており類似団体平均値を下回っている。類似団体と比較して低いコストで行政サービスを提供できている。しかしながら、今後は、施設の老朽化に伴う維持補修費の増加や、減価償却費の増加、地方債の発行に伴う支払利息の増加により純行政コストは増加していく見込であることから、引続き経費削減に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は47.3万円となっており類似団体平均値を下回っている。平成28年度から30年度までの推移をみるとほぼ横ばいとなっている。基礎的財政収支は1,132百万円となっており類似団体平均値を上回っている。平成28年度から30年度までの推移をみると平成28・29年度はマイナスであったが、平成30年度にプラスに転じている。継続してマイナスとなってはいないことから当該期間における財政の持続可能性に問題は見受けられない。※住民一人当たりの数字がホームページで公表している数字と相違しているのは人口の集計時期の違いである。以下の指標も同様。(平成29年3月31日77,271人、平成30年3月31日時点76,665人、平成31年3月31日76,068人で計算)

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は4.9%となっており類似団体平均値と概ね同程度である。受益者負担の割合が適正な値であるか、継続して検討を行う。類似団体と比較して、資産が少なく減価償却費が少ないため、経常費用が抑えられていることが上回っている要因であると考えられる。今後は行政コストの状況で説明したとおり、経常費用が増加していく見通しであることから、引続き事業の見直しを行い経費削減を進めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,