福島県須賀川市の財政状況(2010年度)
収録データの年度
財政比較分析表(2010年度)
財政力
景気の低迷による減収などにより市税収入が伸び悩んでいるが、他の類似団体の平均値が下がってきているため、相対的に類似団単体の平均値に近づく結果となっており、他の団体に比べ本市の下落傾向が緩やかとなっているのは、職員定員適正化計画に基づく退職者不補充等による職員数の削減(10年間で90名削減)などにより人件費の抑制を図るとともに、枠配分方式による予算編成の導入(経常経費のマイナスシーリングの設定H23は-2%、H24は-10%)により、歳出の徹底的な見直しを実施するとともに、コンビニ収納の導入による税収などの徴収率向上、定期的な使用料・手数料の見直しによる受益者負担の適正化などにより歳入の確保に努める。
財政構造の弾力性
H21年度と比べ5.3ポイント改善しているが、これは、歳出においては義務的経費である扶助費などが増となった一方で、人件費が東日本大震災により定年退職者の勤務期間が延長となり、H22年度の退職手当が大幅に減額となったことにより、経常経費充当一般財源が352,599千円減額となり、さらに、H21年度からの繰越事業である地域活性化交付金事業で実施した修繕費等が本来は経常経費として取り扱う物件費、維持補修費であるにもかかわらず臨時的経費の取扱いとなったことによる一過性のものであり、今後も80%台後半の指標が想定されることから、H23年度予算編成より導入した枠配分方式の予算編成により、経常経費のマイナスシーリングを実施し、経常経費の削減に努めるとともに、今後、新たな行政評価のシステムを導入することにより事務事業の優先度を点検し、優先度の低い事業については廃止縮減を進め、更なる経常経費の削減を図る。
人件費・物件費等の状況
類似団体平均と比較して人件費・物件費等の決算額が低くなっている要因としては、人口千人当たりの職員数が類似団体に比べて低い職員数であることに表れているように、相対的な要因ではあるが、ごみ処理を須賀川地方保健環境組合、消防を須賀川地方広域消防組合の一部事務組合で広域処理を行っていることから、本来の人件費や物件費(委託料など)が構成市町村負担金等となっている事などが挙げられる。
給与水準(国との比較)
本市においては、福島県人事委員会勧告の内容を基に給料表の改定を行っているため、国を上回る水準の給料表の改定となり、また、給与構造の見直しにおいて、本市においては地域手当の支給対象とならないので1号給抑制措置を実施していないため、さらに経験年数別の階層変動による人数の増減によりラスパイレス指数が上昇した。今後は昇格基準の見直しなどにより給与水準の適正化に努める。
定員管理の状況
職員の定数管理については、平成17年4月に隣接する長沼町、岩瀬村と合併し、人口8万人あまりを有する新生須賀川市となり、合併効果を最大限に発揮し、複雑多様化する行政課題や新たな住民ニーズに的確に応えられる簡素で効率的な行政組織を再構築するため、平成17年度から平成26年度までの10年間で90人を削減する定員適正化計画を策定し、平成22年度には573人で69人の削減となったが、東日本大震災により本市においても甚大な被害が発生し、復旧・復興業務が増大している現状を踏まえ、計画の見直しも含めた検証を行うこととしている。
公債費負担の状況
これまで、交付税措置のある起債を厳選して活用してきたことなどにより、類似団体平均を下回っているが、須賀川テクニカルリサーチガーデン整備事業用地の買戻しにあたって、県貸付金を活用したことにより、元金償還開始とともに比率の上昇が懸念されることから、今後も原則として地方債発行額が元金償還額を上回らないよう上限枠を設定し引き続き水準の抑制に努めていきたい。
将来負担の状況
将来負担比率について、須賀川テクニカルリサーチガーデン整備事業用地について「設立法人の負債額等負担見込額」に1,330,025千円の計上があったが、市の一般会計で事業用地の買戻しを行ったことにより、当該項目への計上がなくなったことなどにより6.5ポイントの減少となった。また、地方債現在高については、臨時財政対策債や合併特例債を活用してきたことにより、H18年度までは増加傾向であったが、H19年度以降は借入額を償還額が上回り、起債残高が減少傾向となっており、指標改善の一因となっていたが、前述の須賀川テクニカルリサーチガーデン整備事業用地の買戻しにあたって、県貸付金を活用しており、元金償還開始とともに比率の上昇が懸念される。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2010年度)
人件費
人件費に係るものはH22年度で20.0%と類似団体平均と比べて低い水準にある、傾向としてはH18年度から漸減傾向となっているが、本市はH17年度に3市町村で市町村合併を行っており、合併効果により職員定員適正化計画も計画を上回るペースで職員の削減が進んでいることなどが要因となっている、さらにH22年度においては、東日本大震災により定年退職者の勤務期間が延長となり、H22年度の退職手当が大幅に減額となったことにより、経常経費充当一般財源が352,599千円減額となったため、大幅に改善しているが、これは一過性のものであり、H22年度に減額となった分についてはH23年度に支出されるため、H23年度は対前年比で指標の悪化が懸念されることから、今後も行政の効率化により更なる人件費の抑制に努める。
物件費
物件費が類似団体平均に対して高くなっている要因としては、本市は指定管理制度を導入し、施設の維持管理業務の大部分を民間委託していることから職員人件費等から委託料にシフトしていることなどが要因となっている。経常的な物件費については、枠配分方式による予算編成の導入による経常経費のマイナスシーリングの設定(H23は-2%、H24は-10%)により、徹底的な見直しを実施する。
扶助費
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り、かつ上昇傾向にある要因としては、本市は小学生以下の医療費の無料化を実施しており、さらに長引く不況により生活保護費も増加傾向となっていることなどが挙げられる。資格審査や給付内容の適正化を進めるとともに、単独扶助費の見直しを進めることで上昇傾向の抑制を図りたい。
その他
その他に係る経常収支比率は類似団体平均と同等の値となっている。この中で大きな割合を占める繰出金については、下水道施設や農業集落排水施設に係る繰出金が多額であることから、今後の事業計画の再検討、維持管理経費の節減など、公営企業としての採算性を考慮し健全化を進める。国民健康保険事業、介護保険事業についても医療費・介護サービス給付費の適正化を図ることで普通会計の負担額を減らしていくことに努める。
補助費等
補助費等に係る経常収支比率は類似団体平均をやや下回っているものの、各種団体への補助金については運営補助金から事業補助金へシフトし、補助金の交付が適正なものか明確な基準を設けて定期的(3年に1度見直し)にヒアリングを実施しており、目的の終えた補助金の廃止や終期設定などを今後も引き続き実施し、抑制に努める。
公債費
これまで、交付税措置のある起債を厳選して活用し、特別な事情を除いて地方債発行額が元金償還額を上回らないよう上限枠を設定してきたことなどにより、類似団体平均を下回っているが、須賀川テクニカルリサーチガーデン整備事業用地の買戻しにあたって、県貸付金を活用したことや公立岩瀬病院企業団の6・7号病棟の改築にあたってその出資金に合併特例債を充てたことなどにより、それらの元金償還開始とともに公債費の上昇が懸念されることから、今後も引き続き地方債の発行にあたっては事業を厳選し公債費の抑制に努める。
公債費以外
その他に係る経常収支比率は類似団体平均をやや下回る値となっている。H22年度において指標が改善し、類似団体と同等の値となっているが、人件費の分析欄に記載のとおり、一過性のものであり、H23年度以降は指標の悪化が懸念されるため、今後も行政の効率化を一層進め、経常経費の縮減に努める。
実質収支比率等に係る経年分析(2010年度)
分析欄
実質収支比率については、一般的に3~5%程度が望ましいとされており、本市においては概ね適正な値を維持しているといえる。財政調整基金の残高については、標準財政規模の10%(概ね1,800,000千円)を目標に財政運営を行っているところであるが、平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び東京電力㈱福島第一原子力発電所事故災害の影響により、今後の財政運営の見通しは非常に不透明な状況となっている。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2010年度)
分析欄
本市における平成22年度の比率については赤字となる会計がないため算出されない。特別会計の中で今後、特に課題となっているのは、「北部都市整備事業特別会計」について、これまで業務施設用地、教育施設用地及び住宅用地の分譲により、借入残高を700,000千円程度まで圧縮できる見通しであるが、H22年度に債務負担行為を5年間延長し、完売に向け分譲の促進を図っているが、再度の債務負担行為の延長が難しい状況であり、今後の対応が課題となっている。また、「藤沼湖周辺施設運営事業特別会計」については、東日本大震災により周辺施設が大きく被災し、その災害復旧が遅れているため、一部施設を除いて営業を再開することができず、今後の運営形態の再検討も含め今後の対応が課題となっている。
実質公債費比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
実質公債費比率の構成要素のうち、公債費に充当する一般財源は、臨時財政対策債、合併特例債及び県貸付金の元金償還開始に伴い増加傾向にある。公営企業の地方債償還財源に充てたと認められる繰入金については、下水道事業及び農業集落排水事業の計画的な推進により、微増ではあるが、ほぼ、同額程度に平準化せれている。一部事務組合の地方債償還財源に充てたと認められる補助金・負担金については、ほぼ、同額程度に平準化せれているが、H22年度は須賀川地方保健環境組合の償還進捗により一時減少したものの、今後は公立岩瀬病院企業団の6・7号病棟建替事業などに係る企業債の発行があることから、今後は増加傾向が見込まれる。
将来負担比率(分子)の構造(2010年度)
分析欄
将来負担比率の構成要素のうち、地方債現在高については、臨時財政対策債、合併特例債及び県貸付金の元金償還開始に伴い増加傾向にあるが、臨時財政対策債が時限措置であり、その後は本来の普通交付税措置に戻る見込みであることから一時的には増加するもののその後減少が見込まれる。組合等負担等見込額については、公立岩瀬病院企業団の6・7号病棟建替事業などに係る企業債の発行により、H22年度に大きく増加している。退職手当負担見込額については、ほぼ同程度で推移しているが、東日本大震災影響で勧奨退職者や早期退職者が増加する見込みであり、定年退職者数のピークがH26年度であることから、その後は減少が見込まれる。充当可能基金については、財政調整基金の残高に大きく左右されるが、今後は福島県市町村復興支援交付金を積立た「立ちあがろう須賀川復興基金」や庁舎が被災し建替えが必要であることから「庁舎等整備基金」に積み増しを行う必要性があることから、今後は増額が見込まれる。
よくある質問
このページで何が分かりますか?
福島県須賀川市の2010年度の財政状況資料集、主要指標、分析コメントを確認できます。
データの出典はどこですか?
総務省の『財政状況資料集』および『統一的な基準による財務書類に関する情報』をもとに構成しています。
関連する地方公営企業も見られますか?
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