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本市は、旧産炭地及び過疎地域であるため、人口の減少や少子高齢化の進展が著しく、基幹産業もないこと等から、財政基盤が極めて弱く、類似団体中最も低い財政力指数となっている。現在、第5次行政改革実施計画に基づき、事務事業の見直しなど徹底した歳出の抑制を図る一方、地方税等の徴収強化や使用料・手数料の見直しなど歳入の確保に努めており、また移住定住の各種促進策に加え、企業誘致や地場産業育成などの地域浮揚策にも積極的に取り組んでいるところである。
過去の大型投資的事業の実施による地方債の元利償還で公債費が多額であり、高齢者や生活保護受給者が多いため福祉関係経費が高い水準であることから、90%を超えた水準で推移している。しかしながら、公債費の負担がピークを超え減少に転じていることもあり、前年度に比べ0.2%低下した。現在、事務事業の見直しや生活保護受給者の自立支援強化による扶助費の抑制など経常経費の削減に努めている。
前年度に比べ、約6千円増加している。これは、分母となる人口の減少に加え、嘱託及び臨時職員が増加していることや種々の予防接種に関する経費の上昇により物件費が増加していることなどが挙げられる。なお、人件費については、ほぼ前年度並みである。
東日本大震災に伴う国家公務員給与の引き下げがあったことから、指数が大幅に上昇している。上記の要因を除くと98.0であり、実質的には昨年度より0.8ポイント下回っている。主な要因としては、初任給基準の改定などによるものである。
23年度の職員数は昨年度比で9名の増加となっている。これまで4次にわたる定員適正化計画に基づき、既存の事務事業を見直し、事務の効率化を図ることで職員削減を行ってきたが、国、県からの権限委譲、事務移管や増加する生活保護受給者への対応などにより、さらなる行政需要が今後見込まれるため、新たに定員管理計画を策定し、対応していくこととなった。
失業対策事業、改良住宅建設事業、地域改善対策事業、過疎対策事業など旧産炭・過疎地域特有の多くの投資的事業の実施に伴う地方債の元利償還金が多額であるため、類似団体平均と比較して2.9%上回っている。そのため、行政改革の推進により投資的事業の大幅な縮減や見直しを行うなど、公債費負担の軽減に努めていく。
23年度において、将来負担比率は算定されなかった。これは、地方債残高が依然として高水準であるものの年々減少してきていることに加え、特定農業施設の維持管理のための特定目的基金残高が多額であることが大きな要因である。
類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は低くなっているが、その要因としてゴミ処理業務や消防業務、介護保険業務など一部事務組合で行っていることが挙げられる。一部事務組合の人件費に充てる負担金や病院事業の公営企業会計の人件費に充てる繰出金といった人件費に準ずる費用を合計した場合の人口1人当たりの歳出決算額は類似団体平均を大幅に上回っており、今後はこれらも含めた人件費関係経費全体について、抑制を図っていく必要がある。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均より低く抑えられている主な要因は、物件費全体の約14%を占める公営住宅の管理に要する物件費(主に指定管理者委託料)の大半に特定財源である住宅使用料(家賃収入)が充てられていることから、一般財源からの負担が軽くなっているためである。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を大幅に上回っている主な要因として、多額にのぼる生活保護費が挙げられる。本市は、旧産炭地であることや地域経済の低迷などの要因により、低所得者及び失業者が多く、保護率が他団体に比べ非常に高いものとなっている。保護率の上昇は全国的な傾向ではあるが、企業誘致や就労支援策などの雇用対策を通じ、生活保護費の削減を図る必要がある。
その他のうち、大半を占めるのは繰出金であるが、内容としては、国民健康保険、後期高齢者医療及び老人保健の各特別会計への繰出金と、介護保険及び後期高齢者医療の広域連合に対する繰出金となっている。高齢化の進展に伴い、繰出金は増加傾向にあり、各保険料の値上げなど、持続可能な財政状況を目指し、健全化を図る必要がある。
本市では、消防組合や清掃施設組合などの一部事務組合に加え、市立病院に対する補助金(繰出金)があることにより、類似団体平均を上回ることとなっている。23年度は、市立病院の経営再建を支援するため、22年度に引き続き約4億8千万円にのぼる基準外繰出しを行った。市立病院の再建は、本市の財政にとっても喫緊の課題となっている。
地域振興を図るため、失業対策事業、改良住宅建設事業、地域改善対策事業、過疎対策事業など旧産炭・過疎地域特有の公共事業を実施してきた結果、多くの地方債残高を抱えることとなった。そのため、毎年の地方債の元利償還金が多額となり、公債費に係る経常収支比率が類似団体平均より高くなっている。本市では、17年度から公債費負担適正化計画に基づき新規地方債の借入抑制を行っており、18年度末で地方債残高は約320億円であったものが23年度末では約251億円まで減少してきている。
公債費以外については、概ね類似団体平均の割合で推移している。公債費については、年々決算額が減少しており、経常収支比率の改善には、市税等の経常一般財源の増収に加え、特に扶助費の削減が重要であるが、現下の経済情勢を踏まえると、困難を伴うものとなっている。