経営の健全性・効率性について
平成29年度は,汚水整備面は概成しており新規の大型拡張整備が無く,また使用料収入の増収により,前年度比の経営諸指標において,多面での改善が見受けられます。しかしながら,使用料収入以外の主だった財源が無く依然として繰入金への依存が高く,企業債残高も高水準にありますが,汚水処理原価等における指標において低数値が顕れております。①収益的収支比率は,前年度より4.65ポイント改善していますが,依然として低い水準です。これは,企業債償還金が多いためです。④企業債残高対事業規模比率は,高い水準で推移していますが,年々起債残高は減少しています。汚水処理人口普及率が98%を超え,整備も概成しており,今後も起債残高は減少していく見通しです。⑤経費回収率は,前年度よりやや改善し100%となりました。今後100%を上回るためには,汚水処理費のさらなる削減が必要です。⑥汚水処理原価は,前年度より2.37円(1.4%)減少しています。⑧水洗化率は,前年度より1.6ポイント上昇し94.39%となりました。類似団体平均値より高くなっていますが,水質改善を推進するため,今後も水洗化率向上に努めていきます。
老朽化の状況について
30年を経過した管渠等はありますが,標準耐用年数の50年までに約20年程度あり,しばらくは点検・調査(カメラ等)による維持管理で対応します。その中で,長寿命化計画の策定時期を検討していきます。
全体総括
H29年度の下水道使用料収入は,人口増加に伴う一般使用料の増加により,前年度より若干の増収となっています。経営指標も改善されていますが,経営状況は依然として厳しいままであり,平成30年度より一般会計繰入基準の高資本対策に要する経費について適用除外となるため,今後一層の経費節減と下水道使用料金改定についての検討も必要となります。水洗化率は類似団体平均値を上回るものの,その伸びは緩やかです。未接続者への接続啓発活動を継続し,水洗化率の向上を図ります。また,設計基準・技術基準の見直しや新技術の採用等により,建設・改良に要するコスト縮減に努めていきます。今後も徹底した効率化,経営健全化を行ないつつ,公営企業会計への移行を促進してまいります。