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平成29年度の財政力指数は平成24年度から前年度までの同数値0.33で推移しており,依然として類似団体平均を大きく下回っている。過疎・中山間地域である本市は,社会経済基盤が弱く,また人口減少・少子高齢化が進行しており自主財源が乏しい状況である。また,指数の分母である基準財政需要額のうち公債費が約45億円で全体の約4分の1になっていることも数値を下げる原因となっている。引き続き,必要な事業を峻別し投資的経費を抑制する等,歳出の見直しを実施するとともに,税収等の歳入の確保に取り組む。
前年度と比較して2.0ポイント弾力性が硬直化した。歳入面では,合併算定替による特例措置の縮減の影響により普通交付税が大きく減少した。歳出面では,繰出金や人件費が減少したものの,補助費等や物件費が増加した。また,投資的経費の財源としている過疎対策事業債及び合併特例事業債等の地方債償還が多額である等により経常収支比率は依然高い水準にある。今後も,PDCAサイクルを意識した事業実施など効率的・効果的な財政運営に努め,経常経費の抑制・削減を図る。
類似団体内平均値を下回っている要因としては,行政面積が広く,市町村合併により機能の重複した施設もあるため維持管理を要する施設が多いことや保育所運営及び一般廃棄物収集業務等の民間委託を推進していることにより委託料が多額であること,県道の権限移譲を積極的に受け入れていることにより維持補修費が多額であることから物件費等が高くなっている。人件費は,定員管理計画による職員の削減を行ってきたが,行政面積が広大であるため類似団体内平均値を上回っている。今後も公共施設等総合管理計画に基づき公共施設の適正管理を進めていく。
市の面積が広大で,人口密度も小さく,支所及び直営の保育所を多く配置していることなどが,類似団体内平均値を下回っている要因と考えられる。引き続き定員管理計画に基づいた職員数の適正化を図る中で,業務量や有事の際の体制等を考慮し,行政サービスの向上をめざすとともに,年齢構成の適正化を重点とした取組を行う。
前年度と比較して0.3ポイント改善し,年々数値は改善傾向にあり,類似団体内平均値を0.5ポイント上回っている。これは,積極的な繰上償還等の実施や新規地方債発行額を償還元金以内に制限するなど地方債残高の削減を図ったためである。今後,施設の老朽化や耐震化への対応,道路・橋梁などのインフラ資産の整備更新など普通建設事業費の増加が見込まれることから,必要性や緊急性などを勘案し事業を精査し,地方債の新規発行額の抑制に努める。
積極的な繰上償還の実施によって地方債残高は減少しているものの,過去の起債の償還終了に伴う基準財政需要額算入見込額の減少や標準財政規模の減少等により,前年度と比較して0.9ポイントの悪化となった。今後も繰上償還等の実施や新規地方債発行額を償還元金以内に制限するなど地方債残高の減少を図り,財政の健全化に努める。
市の面積が広大で,人口密度も小さく,支所及び直営の保育所を多く配置していることから類似団体と比較し職員数が多いものの,経常収支比率に占める人件費比率は類似団体内平均値を5.7ポイント上回っており,上位に位置している。これは,これまで定員適正化計画に沿った職員数の抑制を図った結果であり,今後もこの水準の維持に努める。
前年度数値と比較し1.5ポイント増加し,類似団体内平均値を5.2ポイント下回っている。これは,指定管理者制度の活用や施設管理等をはじめとする委託料が増加していることが要因である。近年,物件費は民間委託等の推進により年々増加しているが,一方で,人件費については類似団体内では上位に位置している。
前年度数値と比較し0.3ポイント増加したものの,類似団体内平均値を4.1ポイント上回っており,上位に位置している。引き続き扶助費における資格審査等の適正化に努めるとともに各種手当等の事務を適正に行う。
前年度数値と比較し2.2ポイント減少したが,類似団体内平均値を2.6ポイント下回っている。これは,下水道事業や農業集落排水事業などへの繰出金が多額であること,8市町村が合併したため保有する施設が非常に多いことに加え,県道の権限移譲を積極的に受け入れていることにより維持補修費が多額となっていることが要因である。今後は,公共施設等総合管理計画に基づき,公共施設の適正管理を進めていく。
前年度数値と比較し2.7ポイント増加し,類似団体内平均値を2.1ポイント下回っている。これは消防組合や病院事業会計への負担金や水道事業会計への補助金などが多額となっていることが要因である。今後は,補助金等について,交付基準に基づき適正かつ公正な執行に努めるとともに,定期的に補助制度の見直しを行う。
前年度数値と比較し0.1ポイント増加しており,類似団体内平均値を4.2ポイント下回っている。これは,ハード事業やソフト事業で借り入れた過疎対策事業債や合併特例事業債の償還額が多額となっていることが要因である。今後も大規模事業の影響により高水準が見込まれるが,地方債の新規発行額を抑制するとともに,繰上償還を実施し,地方債残高の削減に努める。
前年度数値と比較し1.9ポイント増加し,類似団体内平均値を0.1ポイント下回っている。これは,施設管理等に係る物件費が増加していることが要因であると考えられる。また,前年度と比較し,普通交付税の合併特例措置の段階的縮減の影響により経常一般財源の減少も増加した要因としてあげられる。今後も,事務事業の見直しを行うとともに,歳入確保と経費節減に努める。
(増減理由)決算剰余金のうち6億3千万円を減債基金に積み立てた一方,繰上償還の財源として8億9千万円を取り崩したこと,過疎対策事業債(ソフト事業(基金積立分))を借り入れ過疎地域自立促進基金に3億円積み立てた一方,定住対策事業に5千万円を取り崩したことなどにより,基金全体としては5百万円減少した。(今後の方針)必要な事業を精査し効果的かつ積極的な基金活用を行う。
(増減理由)基金運用益の積立により5百万円増加した。(今後の方針)・決算状況を踏まえ,可能な範囲で積立てる。・普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了や社会保障関係経費の増大に備えるため積立を行うとともに,財源調整として必要に応じて取り崩す。
(増減理由)決算剰余金のうち6億3千万円を減債基金に積み立てた一方,繰上償還の財源として8億9千万円を取り崩したことにより減少した。(今後の方針)・決算状況を踏まえ,可能な範囲で積み立てる。・地方債の繰上償還財源とするため取り崩す。
(基金の使途)・地域振興基金:市民の連帯の強化と地域振興のための事業の費用に充てるため。・過疎地域自立促進基金:過疎地域自立促進計画に基づく事業を実施し,集落の維持及び活性化その他の住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図るため。・公共施設等整備基金:公共施設等の整備を円滑に推進するため。(増減理由)・過疎地域自立促進基金:定住対策事業などの財源として8千9百万円を充当した一方で,過疎対策事業債(ソフト事業(基金積立分))を借り入れ3億3百万円を積み立てたことにより増加した。・ブロードバンドひかり基金:ケーブルテレビ施設の施設機能の維持向上等のため1億1千3百万円を積み立てたことにより増加した。・ふるさと創生基金:ふるさと納税等5千万円を積み立てた一方,小中学校外国語教育推進事業などの財源として1億2千8百万円を充当したことにより減少した。(今後の方針)・過疎地域自立促進基金:平成30年度に過疎地域自立促進計画に基づく事業の財源として8億7千7百万円を充当予定。・ふるさと創生基金:平成30年度に地域づくり事業の財源として3億9千万円を充当予定。・職員退職手当基金:平成30年度に職員退職手当の財源として1億4千万円を充当予定。
有形固定資産減価償却率は,インフラ資産の工作物について固定資産減価償却率が高いことが要因で,類似団体より高い水準にある。平成29年度は前年度末と比較して主に建物の減価償却率が上昇したため,固定資産減価償却率は0.4%上昇している。施設全体をみると類似団体と比較して大きく老朽化が進んでいるわけではないが,公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき,老朽化した施設について,点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど,老朽化対策に努める必要がある。
将来負担比率と有形固定資産減価償却率は,類似団体と比べて高い水準にあり,かつ増加傾向である。本市は8市町村が合併したことに伴い機能の重複した施設も多く,長寿命化や更新整備に多額の費用が生じるためその整理が追い付いていないことが類似団体よりも償却率が高くなっている要因である。今後は人口減少や施設維持コスト増加に対応するため,適正な資産規模を目指し,新規整備の抑制や施設の廃止・集約化・複合化など公共施設等総合管理計画に基づき資産保有量の減少に取り組む必要がある。
実質公債費比率は類似団体と比較して低いものの,将来負担比率は高くなっている。実質公債費比率は,新規地方債発行額を地方債の償還元金以内に制限するなど地方債の残高削減を行っているため減少している。将来負担比率は,地方債残高は減少しているものの,基準財政需要額や基金の取崩しなど充当可能財源が減少したことなどから増加している。
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