経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率が100%を下回っていますが、鏡野町は公共下水道事業の起債償還のための基金を設けており、基金からの繰入金のうち元金分は収益的収入に入らないためにこのような状況となっているものです。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価ともに類似団体平均や全国平均を大きく上回る好成績となっていますが、これは下水処理を広域処理(津山市の浄化センターで処理)しているためのものです。⑧水洗化率については、類似団体は上回っているものの、全国平均には及んでおりません。これは、鏡野町の公共下水道事業が未だ整備中であり、毎年供用開始区域が広がっているためです。④企業債残高対事業規模比率が0%となっているのは、本町の企業債元利償還金が全て一般会計からの繰入基準に合致しているためですが、平成26年度末の企業債残高は45億8千万円と高額なものになっています。
老朽化の状況について
鏡野町の下水道整備は平成10年に始まり、現在18年目となりました。下水処理場は津山市にある広域処理場を使用しているため、町所有の施設設備としては下水道管と、ポンプ設備になります。下水道管の耐用年数は50年とされており、まだ老朽化の心配はありません。ポンプ設備は20年程度の耐用年数とされていますが、全てのポンプ設備について点検・維持管理を専門業者に委託しており、不具合等のおそれがある場合は適切に修繕・更新を行っておりますので、使用に支障はありません。処理場については、1市2町が使用しており、更新等の際にはそれぞれの使用割合に応じた費用負担をすることになります。
全体総括
鏡野町の公共下水道事業は、今後10年以内を目標に整備を予定している全区域で供用開始する予定としています。経営状況としては、経費回収率、汚水処理原価の結果から適切・効率的に経営できているものと思われます。企業債残高が高くなっていますが、償還が完了する起債が出てくる平成30年度以降から徐々に好転するものと思われます。今後、平成30年度を目途に鏡野町の全下水道事業を企業会計化することとしており、それにより経営状況等が一層明確にできるものと期待しています。