経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は低率であり、繰入金による経営を行っている。また経費回収率及び汚水処理原価についても非常に厳しい状況にある。これは本施設が人口の減少が進む山間の集落のみに係るものであることを理由としており、流入人口はほぼ見込めないことから今後も経営の改善は非常に難しい状況にある。企業債残高については、整備が終了していることから減少している。また、未接続家屋はなく、水洗化率は100%であるが、整備後に自然減も含め人口は減少しており、施設利用率は平均値よりも低い。
老朽化の状況について
処理場及び管渠の老朽化については、供用開始から15年程度であることから即時機能停止につながる老朽化は認められない。
全体総括
汚水処理費や起債償還を使用料収入で賄うことは困難であることから繰入金による経営を行っている。収入については、新規利用者が見込めないことから人口減少に合わせ使用料収入も減少する見込みである。一方、現状では施設等の大幅な老朽化は認められないが、今後は経年劣化により修繕が増加することが確実であり、収支改善の見込みはない。今後は、浄化槽事業への転換等も視野に入れ、事業の在り方について検討する必要がある。