経営の健全性・効率性について
本町の簡易排水処理施設は2処理区あり、平成9年、平成14年に供用開始している。事業投資に要した企業債は、償還により残高削減が進んでいる。汚水処理原価については、施設の修繕、改築更新の費用が目立っておらず、類似団体と比較しても低い状態にある。また、収益的収支についても、年度により増減があるが増加傾向にある。水洗化率について類似団体と比較して低いため、接続勧奨を行うなど、簡易排水処理施設への接続促進を今後も進める必要がある。経費回収率は類似団体と比較しても高い水準が保たれているが、今後は少子高齢化や自然減等による人口減少により下水道使用料が減少に転じると予測されるため、収益の安定的確保が課題である。
老朽化の状況について
2処理区のうち大原処理区は供用開始後20年を経過していることから、維持修繕に関する費用が増加する傾向にある。管渠の平均年齢は19年で、判断の目安となる20年を超える管渠はない。現在、維持管理委託によって施設の状況を把握することで異常に対して早目の対策をすることで、維持修繕費を抑えるようにしている。
全体総括
水洗化率の向上のため、接続勧奨を行うなど、収益の安定的確保を図るほか、今後は老朽化による維持・更新費用等の増加が予想されるため、施設の長寿命化を含めた計画的な管理に努めることが必要である。また、機器の修繕や更新、汚泥処理等を含めた包括的な委託化の研究など経営の効率化について検討することや、有収水量の実態把握についても進める必要がある。なお、下水道使用料に対しては、現在経費回収率が高い水準で保たれているが、今後の人口減少による下水道使用料の減少を考慮し、安定した事業経営を維持するために、適正な資産維持費等を含めた今後の在り方を研究する必要がある。