経営の健全性・効率性について
①経営の健全性について収益的収支比率はほぼ100%に近い数値であり、比較的健全であると言える。一方で債務残高については、類似団体の平均値を大きく上回っている状況である。今後は、浄化槽の新規設置にともなう債務残高及び維持管理費の増加等が見込まれることから、経営を取り巻く環境は厳しい状況にあると考えられ、更なる経営の健全化が必要となってくる。また、経費回収率については、類似団体とほぼ同様の数値となってはいるものの、今後上記のような状況が予想され、収益的収支比率の低下が見込まれることから、下水道料金の見直しを進めていく必要がある。②経営の効率性について水洗化率についてはほぼ100%に近い数値であり、処理区域内においての汚水処理は比較的適切に行われていると言える。一方、施設利用率については、類似団体の平均値よりも下回っているうえに年々低下傾向にあるため、設置済みの浄化槽の人槽を見直すなどの対策が必要である。また、汚水処理原価については、上昇傾向にあり、今後は維持管理費の抑制を図るなど経営の効率化に向けた取り組みが必要である。今後は水洗化率の向上を図っていくことで、収益的収支比率及び経費回収率の向上を目指し、債務残高の抑制など費用の効率化を図る必要がある。
老朽化の状況について
本町の合併処理浄化槽事業は平成15年度から供用を開始しているため、施設は比較的新しく老朽化の域には達していないが、今後は老朽化に向けた計画的な対策を講じる必要がある。
全体総括
概ねの指標において類似団体の平均値に達していない、あるいはほぼ同様の数値であったが、上述したとおり、今後の経営を取り巻く環境は厳しい状況になることが予想される。浄化槽設置基数の増加にともなう経費の増加はやむを得ないため、費用の見直しなどによる経営の効率化を図るとともに、水洗化率を向上させることによって収益的収支比率及び経費回収率の改善に努め経営の健全化を図る。またその一方で、下水道料金については、将来の経営状況についての予測を立てることで、適正な料金の設定を検討していくことが重要である。