経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を上回っており、また、累積欠損金も生じていないことから経営は健全である。流動比率は類似団体と比べて▲1.93ポイントとなり、100を下回っている。これは、流動負債の主な債務である企業債の償還財源を一般会計繰入金等の収入で確保することとしているためであり、短期的な支払に支障はない。企業債残高対事業規模比率は、企業債現在高の減小により類似団体平均値と比較して大幅に低い水準にある。※R2年度の本県比率/平均比率=31.25%汚水処理原価は、類似団体と比較すると+7.07円と高い水準となっており、維持管理コストの縮減に努めていく。施設利用率は流入水量の増加に伴いH23年以降徐々に伸び、R2年度は類似団体との利用率の差は+7.70ポイントとなっている。水洗化率は年々上昇してきているものの、類似団体と比較すると▲2.35ポイントとなっている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率はR2年度より企業会計へ移行し、減価償却累計額が1年分しか計上されていないため類似団体より低水準となっている。法定耐用年数を経過した管渠がないことから,管渠老朽化率は0%となっている。管渠の大幅な更新改良時期は未到来であるが、供用開始から39年経過しており、ストックマネジメント計画に基づき計画的に更新等を進める。
全体総括
経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を目的とし、R2年度より企業会計へ移行した。今後は新たな経営指標の比較・分析を行い経営の健全性を確保していく。また、水洗化率の向上による流入水量の増加、施設利用率の向上を図るとともに、効率的な汚水処理の実施により収益性、健全性の向上に取り組む。老朽化する施設・設備に関しては、ストックマネジメント計画に基づく計画的な改築・更新による適切な投資を図っていく。