経営の健全性・効率性について
経常収支は100%未満で依然として慢性的な赤字状態が続いております。平成26年度の会計制度改正に伴う長期前受金の収益化により累積欠損金は一時的に解消されましたが、平成27年度以降は毎年欠損金を計上することとなり令和元年度末で約2.5億円の累積欠損金が生じております。支払能力を示す流動比率は、会計制度改正に伴い平成26年度には34.04%まで下がり、徐々に増加していましたが令和元年度末では38.59%に低下しました。事業運営は一般会計からの多額の繰入金により成り立っている状況です。企業債残高対事業規模比率は類似団体平均、全国平均を下回りましたが、これは分流式下水道等に要する経費の算定方法の変更により一般会計負担額が増加したためです。また、経費回収率は類似団体平均を上回るものの100%を超えておらず、水洗化率は類似団体平均、全国平均を下回っています。今後も水洗化率の向上と汚水処理費の削減を進めていく必要があります。汚水処理原価は175.44円となっており、類似団体平均、全国平均を上回っています。
老朽化の状況について
平成3年から整備を始めたこともあり、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っており管渠老朽化率も低いことから現在、管路等の老朽化は見られません。
全体総括
今後も、集中浄化施設を備えた大型団地、事業所への接続など効果が大きい区域への整備を進めるともに、「生活排水処理アクションプログラム」、「経営戦略」に沿って整備区域を拡大し、水洗化率の向上、未収金の徴収強化、経費節減などを図り、経営基盤の強化を図っていきます。