経営の健全性・効率性について
経営の健全性に係る指標(④・⑤・⑥)に改善が見られるが、これは一般会計繰入金の「分流式下水道等に要する経費」の基準額について、平成22年度に示された算定方法にもとづく計上を行ったためである。また効率性に係る指標である⑧水洗化率は、1世帯あたりの人口を実態に合わせて見直したことにともない、数値が下落している。御殿場市の農業集落排水事業は、事業の成り立ち上、区域内においても接続可能な世帯が限定されていることから、処理水量の増加により施設稼働率を大幅に改善することは困難である。このため、経営状態の向上のためには使用料の適正化が必要とされるが、従前の使用料体系が公共下水道事業と同じものであることを踏まえたうえで、今後の検討を進める必要がある。
老朽化の状況について
御殿場市の農業集落排水事業は、平成12年度より整備を開始し、平成17年度に供用を開始した。このため、管渠及び設備が比較的新しく、老朽化は維持管理上の大きな問題とはなっていない。
全体総括
現時点で新規の投資は予定されておらず、改築・更新についても喫緊の課題とはいえない状況である。このため、当面の間は維持管理費と使用料収入との不均衡の是正を目指すことが健全な経営に資するものであり、「1.経営の健全性・効率性について」に記載のとおり使用料の適正化に向けた検討を行っている。また、将来的には修繕・改築にともなう費用の増加が見込まれることから、長期的な経営の安定化のためには、公共下水道事業との統合などを含めた事業運営の検討が必要となると考えられる。