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加速する人口減少と全国平均(平成28年10月1日現在27.3%)を上回る高齢化率(同37.16%)に加え、市内の中核産業が乏しいため、安定した財政基盤の確保が難しい状況にある。こうした状況を踏まえ、「まち・ひと・しごと創生法」に基づく、飛騨市まち・ひと・しごと創生総合戦略や飛騨市第3次行政改革大綱(平成26年度~平成30年度)に沿った施策の重点化の両立に努め、経済的な活力に満ちたまちづくりを目指すとともに、長期的展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
普通交付税が平成27年度国勢調査の反映や合併算定替縮減などの影響により減少したことに伴い、前年度より4.6ポイント悪化した。義務的経費にかかる経常一般財源の増加、歳入における市税が減少しているなか、今後も事務事業の見直し、将来的な財政状況の把握に努め、長期的展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
市町村合併により広大な面積を有し、広範囲を網羅した行政運営のため、行政関係で3つの振興事務所(支所)、消防関係で2つの支所を抱えている。一方で少子高齢化や労働者人口の流出などによる深刻な人口減が進み、人口1人あたりの人件費・物件費等が類似団体の平均よりも高い水準となる傾向にある。こうした状況を踏まえ、更なる行政運営の効率化と組織のスリム化を進めることにより、健全な財政運営に努める。
類似団体との比較では4.1ポイント、県内市平均との比較でも4.2ポイント低くなっており、県内21市の中で18番目という低い位置に付けている。進む人口減少と限られた財源の中で有効かつ充実した施策を推進していくためにも、人件費の軽減は不可欠である。今後も、定員適正化計画に基づく定数管理を図りながら、自治体規模に見合った適正な給与水準の維持に努める。
定員適正化計画に基づき定員数の適正化を図っているところであるが、類似団体との比較では5.06人多い状況となっている。これは、市域が広域であることから、ある程度の地域ごとに行政職員(振興事務所職員)及び消防職員の配置が必要であり、定員数のみに視点を置いた組織効率化が不可能なこと、また、今後数年続く定年退職者の増加に備え、職員採用を一時的に増加させていることが要因といえる。今後も平成27年度から推進している第2次定員適正化計画に基づき、職員の適正配置及び定員数の維持に努める。
合併特例期間中に進めてきた大型投資事業に対する地方債償還が本格化する一方、過去に発行した市債の償還終了に伴い公債費等は微減となったが、基準財政需要額に算入される公債費の減や普通交付税額、臨時財政対策債発行可能額の減により、3ヵ年平均で前年度より0.3ポイントの悪化となり、類似団体の平均を上回る結果となっている。今後も、普通交付税の段階的な縮減を見据えて、地方債発行の抑制はもとより、引き続き事業には交付税算入率の高い起債の選択に努めるなど、実質公債費比率の低減に向けた取り組みを進める。
地方債現在高の減と、将来の大型投資に備えた特定目的基金への積み増しによる充当可能基金の増により、将来負担額を充当可能財源が上回る結果となった。今後も将来の大型投資事業にかかる財政負担平準化を考えた基金の積み増しを継続するとともに、市債を発行する際には交付税措置のある有利な起債を選択することにより、将来負担を考えたバランスのよい財政運営に努める。
人件費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を下回る水準で推移している。これは、第2次定員適正化計画に基づき、職員の適正配置及び定員数の維持に努めた結果の表れといえる。しかし、今後はこれ以上の人件費の削減は見込めず、共済掛金率の増加等もあることから、適正な指標の維持に努める。
物件費に対する経常収支比率は、前年度よりも1.0ポイント悪化し、類似団体平均と同じ結果となった。これは、公共施設の維持管理業務の大部分を、指定管理者制度のもと委託しているものが大きいためである。事務事業の見直しや効率化、指定管理施設の経営改善指導を進めるなど、今後も、コスト削減等、経常経費の削減に努める。
扶助費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を下回る水準で推移している。主な要因として、二世帯同居や地域コミュニティによる助け合いが自然に行われていることが挙げられ、今後も健康寿命を延ばすための生きがい・体力づくり事業に取組み、医療費抑制を図りながら財政を圧迫しないように努める。
その他に対する経常収支比率は、類似団体の平均を上回る水準で推移している。平成28年度は1.0ポイント悪化しているが、これは毎年平均して維持補修費の7割近くを占める除雪経費が、大雪の影響により増加したことによるものである。また、特別会計への繰出金に関しては毎年、維持経費の増加や保険医療給付費が増加傾向にあり、特別会計の赤字補てんの圧縮が重要課題となっている。
補助費等に対する経常収支比率は、類似団体の平均を大きく下回る水準で推移している。第二次行政改革における、新たな補助金ガイドライン設定による市単独補助金の見直しを行ったことなどにより、補助金の適正な支出と補助事業の目的に沿った事業実施となっている。
公債費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を上回る状況で推移している。このことは、合併後、優先的に進めてきた大型投資事業に対する起債償還によるものであるが、今後も、歳入に見合った歳出の中での事業化により、地方債発行を精査し実質公債費比率の減少に努める。
公債費以外に対する経常収支比率は、類似団体内順位の上位に位置している。しかし、少子高齢化の進展によって扶助費が増加傾向にあることや、人口減少に伴い散在する集落への行政サービスの提供が、財政運営を圧迫する要因となっている。健全な財政運営を維持するため、更なる事務事業の効率化や公共施設の統廃合を進め、長期展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
実質公債費比率は類似団体と比較して高いものの、将来負担比率は低くなっている。これは、毎年度の市債借入額よりも市債償還額が上回るプライマリーバランスの黒字化を堅持し、市債発行の際には交付税算入率の高い起債の選択に努めるとともに、将来の大型投資事業にかかる財政負担平準化を考えた基金積み増しを継続してきたことによる。今後、合併算定替加算の廃止等による普通交付税の減少(標準財政規模の減少)などから、実質公債費比率は横ばい若しくは上昇することが考えられるため、平成28年11月に定めた財政運営の基本指針に基づき、将来負担を考えたバランスの良い財政運営に努める。
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