松本市：松本市営松本城大手門駐車場

収益等の状況について

令和３年度は、新型コロナに係るさまざまな行動制限が緩和され、利用状況について多少の回復がみられたものの、依然新型コロナの影響を受け低迷しています。収益的収支比率について、平成２９年度以降は、平面式駐車場の移転整備等により一時的に収益が悪化したものの、令和元年度まで改善傾向に推移していました。令和２年度以降は、新型コロナ禍による収入の大幅な減少により、収益が悪化しています。営業総利益率を示す売上高ＧＯＰ比率及び減価償却前の利益を示すＥＢＩＴＤＡは、令和２年度に悪化しましたが、令和３年度には、類似団体の平均値を超える水準まで改善しました。

資産等の状況について

当該駐車場建設当初の地方債については、平成２６年度に償還が完了しています。平成２９年度及び平成３０年度の２年間で、立体駐車１棟を解体・閉場し、平面式駐車場の移転整備を行いました。平面式駐車場の移転整備費については、その財源の一部を起債で賄いました。起債償還の終了年度は、令和１１年度を予定しています。また、平成４年７月の供用開始から、２９年が経過し、施設や内部機器類の経年劣化が進んでいるため、適切な管理に努め、施設の長寿命化を図ります。注）左記⑦で示される敷地の地価は、正しくは33千円である。

利用の状況について

平成３０年度は、北棟が閉場し、利用可能台数が減少したことで稼働率が上昇していますが、令和２年度以降は、新型コロナ禍の影響による観光客の減少を受け大幅に低下しています。稼働率は類似団体の平均値を下回るものの、新型コロナ禍以前は、松本城及び中心市街地で行われるイベント時や観光シーズン中には、稼働率が３００％を超えることもあり、特に大型連休を中心に活発な利用があります。

全体総括

コロナ禍以前は、毎期安定した収益を上げており、経営の健全性は確保されていました。コロナ禍による影響が底を打つまでは、収支のバランスを考慮しつつ堅実な運営が必要です。上述のとおり、平成３０年度には立体駐車場１棟の閉場及び平面式駐車場の移転整備が行われ、利用可能台数が縮小した中で、使用料収入も減少していることから、より一層の収益確保に向けた取り組みが必要です。また、供用開始より相応の年数を経ているため、施設・内部設備類の老朽化も進んでいます。今後は、令和元年度に策定した市営市街地駐車場事業経営戦略に沿って、計画的に改修を行っていく予定です。