経営の健全性・効率性について
●経常収支比率について流域下水道事業は、複数の市町村の維持管理負担金において経営されており、減価償却費についても、投資段階で回収されているものとし、同額の長期前受金戻入が見込まれることから、収支は概ね±0円で推移すると考えられます。●流動比率について100%を大きく下回っておりますが、企業債の償還に充てる財源が4月に収入となったことによるものと考えられます。●企業債残高について今後は減少傾向にありますが、施設の更新時期を今後迎えるため、人口減少等を見据えた適正な規模による更新計画が必要になると考えられます。●汚水処理原価について管理する4処理場のうち、2処理場は供用開始後年数が30年未満であり、企業債の元利償還費用が多いことなどから、類似団体の平均値と比較して高い数値になっていると考えられます。●施設利用率について類似団体と比較して高い水準であり、処理量と処理能力の乖離が小さく、概ね適切な規模の経営がなされています。●水洗化率について類似団体の平均値に近い数値となっています。関連市町村において水洗化率向上の取組を進めていきます。
老朽化の状況について
●有形固定資産減価償却率について平成31年4月から公営企業会計に移行したことに伴い、過去の減価償却費が反映されない計上方法となっていることから、数値が低い状態となっております。●管渠改善率について管渠の更新については、約10年後から更新時期を迎え始めることから、ストックマネジメント計画を策定し、処理場施設の改築更新とあわせて計画的、効率的に更新を行っていく必要があります。
全体総括
人口減少等により処理汚水量の減少が見込まれる中、水洗化率の向上や適正な使用料の設定による料金収入の確保とともに、省エネ機器や省エネ運転の導入、包括的民間委託等による維持管理費の更なる経費節減に努め、経営の健全化を図る必要があります。また、施設の更新にあたっては、処理汚水量の減少を見据え、将来的に必要な処理能力に見合った施設規模、処理性能を検討していきます。