経営の健全性・効率性について
・健全性について収益的収支比率が50%を下回っているのは、総収益に対し、地方債償還金の中でも資本費平準化債、特別措置分償還額の割合が高いためと分析する。経費回収率は類似団体平均で推移するものの、85%程度と100%を下回っているため、適正な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減が必要であると分析できる。また、企業債残高対事業規模比率が類似団体平均値を上回っていることからも、適正な投資規模や料金水準の分析による経営改善が求められる。・効率性について汚水処理原価が類似団体平均値を下回っており、施設利用率が類似団体平均値より高いことからも、施設の効率性についてはおおむね良好と言えるが、今後もさらなる改善を行い、維持継続していく必要がある。水洗化率は98%を超えており、類似団体平均値を上回っているため、良好であるといえる。但し、公共用水域の水質保全を図る上で、さらに向上させる取組が必要である。
老朽化の状況について
一般的に下水道管渠の耐用年数は50年と言われるが、現時点では法定耐用年数を経過する管を所有しておらず、最も古い管でも44年経過する管である。今後はストックマネジメント計画等を策定し、管渠改築等の検討が必要である。
全体総括
現段階では、収益性や財政の健全性について、改善の検討が必要である。また、公営企業会計への移行に適切に取り組み、経営状態を正確に把握し、資産管理を適切に行った上で、中長期財政計画を策定し、適正な料金水準を見通し、施設の改築、更新を検討、推進していく必要がある。