経営の健全性・効率性について
平成29年4月1日から地方公営企業法の財務等の一部を適用し、地方公営企業会計へ移行したため、平成29年3月31日をもって打ち切り決算を行いました。①収益的収支比率打切り決算の影響に伴い、未収金となった下水道使用料があったため、前年度と比較して減少しました。近年、100%を下回る水準で推移しており、経営改善に向けた総費用の抑制や適切な下水道使用料収入の確保が必要であると考えています。④企業債残高対事業規模比率企業債残高は減少しているものの、打ち切り決算の影響に伴い未収金となった下水道使用料があったため、分母となる事業規模の数値が減少し、前年度と比較して大幅に増加しました。⑤経費回収率近年、100%以上の水準で推移しています。これは汚水処理費の資本費の一部について資本費平準化債を発行し、汚水処理費用の低減を図っているためです。⑥汚水処理原価近年、100円前後で推移しており、全国平均や類似団体と比較すると低い値となっています。この水準を維持できるよう、引き続き、維持管理費の削減や投資の効率化を図っていきます。⑧水洗化率全国平均や類似団体と比較して高い値で推移していますが、100%に近づけるべく、今後も未水洗化世帯について確実に接続するよう促進していきます。
老朽化の状況について
③管渠改善率当市では平成28年度末時点で約434Kmの下水道管渠を抱えており、そのうち布設後30年を経過したものが全体の約3割を占めています。高度経済成長期に集中投資した下水道施設の老朽化が進行し、今後、法定耐用年数を経過する管渠が急激に増えてくる事が予想されます。管渠施設の機能維持のために、施設状態を把握し、中長期的な施設状態を予測しながら、効率的な管理を行う必要があります。
全体総括
平成28年度は打ち切り決算を行ったため、前年度と比較して悪化している指標がありますが、一時的なものと考えています。企業会計移行後は、精緻化された財務諸表等を活用し、中長期的な財政の見通しを把握するとともに、財政の健全性、効率性を維持しながら、投資に対する財源を確保していく必要があると考えています。また、下水道施設の更新時期が集中的に到来し、事業量とその財源の確保が見込まれるため、ストックマネジメント計画を策定し、計画的な再整備と適切な維持管理を実施し、事業費の平準化に取り組んでいきます。老朽化対策をはじめとする必要な施策と財政の収支バランスを保ちながら、将来にわたって安定的な下水道サービスの提供に努めていきます。