経営の健全性・効率性について
・経常収支比率は100%以上、累積欠損金比率は0%となっており、経営状況は収支均衡が図られてはいるものの、経常収支比率は平成26年度に比べ0.53ポイント減少しています。これは、支払利息などの支出は減少したものの、他会計負担金など収入の減少が大きかったことによります。引き続き収入確保・経費削減に取り組みます。・流動比率は、平成26年度は会計基準の改正により低下していますが、平成27年度は、東京電力からの賠償金が入金されたことにより流動資産が増加し、平成26年度と比較すると比率は増加へ転じています。今後は老朽化対策など支出増加が伴うことから流動資産の増加は見込めず、流動比率は横ばいで推移することが見込まれます。・企業債残高対事業規模比率は減少傾向ですが、これは大口の企業債が償還満期を迎え、企業債残高が減少していることによります。今後は、老朽化対策などの更新投資を進めることで増加が見込まれます。・経費回収率は、全体の傾向からすると、老朽化が進む施設や管路の維持管理費や下水道使用料収入の状況では、100%を目指すことは厳しい状況です。さらに進む老朽化に対応するため、引き続き維持管理の更なる効率化を図るとともに、下水道使用料の料金改定等を含めた収入の確保が必要と考えます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、管渠老朽化率ともに全国平均より高く、老朽化による重大なリスクを抱えている状況です。早急な老朽化対策への取り組みが重要となっており、事故・故障の発生リスクが高い施設(管路・処理施設等)から優先し、施設再生、改築に取り組んでいます。今後は、施設や管路等の健全度や重要度による情報データベースを利用して、全施設のストックマネジメントを継続的に行える環境の構築が急務のため、平成28年度より庁内にプロジェクトを設置し検討を進めています。
全体総括
総体的には、節水による収入減少の中でも概ね健全な経営が維持されていますが、今後は、予防保全型維持管理費の増加などにより、一層厳しい経営状況となることが予想されます。継続的な健全経営を維持していくため、適正な使用料収入の確保に向け、平成29年度に下水道使用料を引き上げする改定を行います。あわせて、多様化するニーズ・課題に対応するための組織的な取り組みとしては、さらなる改善のための仕組みとしてアセットマネジメントの手法を段階的に導入し、最適な事業運営を目指します。