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平成23年度も引き続き景気低迷の影響を受けて市民税所得割や法人税割が減少したことなどにより基準財政収入額が減少した。一方で,民設民営保育所の整備,こども手当の給付,被生活保護者数の増加に伴う生活保護費の増加などにより基準財政需要額が増加したことにより財政力指数は前年度と比較して0.03ポイント減少した。今後は景気動向により市税収入に大きな影響を受けることが懸念されるが、事務事業の見直しや枠配分方式の予算編成などによる経常経費の削減を進めることにより財政基盤の強化に努める。
歳入については,地方特例交付金の増加があるものの,市税や自動車取得税交付金などの減により全体としては経常一般財源等が約2,700万円の減となった。歳出については,扶助費や繰出金が増加したものの,人件費や公債費が減少したことにより経常経費充当一般財源が約5億1,300万円の減となり経常収支比率は,前年度と比較して2.2ポイント改善した。類似団体の中では高い数値となっているが,臨時財政対策債を借入れていないことも要因と考えられる。今後は,「財政健全化戦略プログラム」に基づき,平成26年度までに経常収支比率80%台とすること,職員給与・職員数の適正化を図ること,新たな施設へ指定管理者制度を導入すること,使用料・手数料の見直し等を実施していく。
人件費については,共済組合負担金の長期掛金が改定されたことにより負担金が増となった一方で,定年退職者数の減少による退職金の減や給料表を市独自表から都表に移行させたことにより職員給料が減少した。物件費については,任意予防接種委託料や住基システム改修委託料の増などにより全体として増加している。類似団体の平均を上回っている状況にあるため,今後事務事業の見直しや,給与制度の見直し,アウトソーシングの活用などを一層推進し,人件費及び物件費等の抑制を図っていく。
平成23年4月に給与制度の見直しを行い,東京都に準拠した給料表に移行した。その結果,平成23年ラスパイレス指数は,前年と比較して0.9ポイント減少し,100.6となり,類似団体平均値とほぼ均衡する水準まで改善が図られた。平成24年ラスパイレス指数は,東日本大震災への対応による国の給与削減措置の影響により,109.2となり,前年と比較して8.6ポイント増加している。
「職員100人削減計画」を平成20年まで取り組んだ結果,124人の削減実績となった。また、平成22年2月策定の「職員数適正化計画」において、平成28年までの7カ年で毎年10人の削減を進めていくこととなったが,平成22年8月に年次計画を変更し、平成26年4月1日までに,平成21年度比マイナス70人を達成する内容に変更した。この計画に基づき、更なる取り組みを進める。
平成22年度に対して標準税収入額が増加したことなどによる分母の増及び,元利償還金額や公営企業(下水道事業特別会計)の元利償還金額に充当された一般会計からの繰入金が減となったこと等による分子の減少により実質公債費比率は前年度と比較して1.9ポイント改善した。今後も国分寺駅北口再開発事業などで新規事業債の発行が見込まれるが,引き続き臨時財政対策債の借入を抑制しつつ,その他の地方債の借入についても慎重に検討していくと共に,繰上償還や借換えを積極的に活用して実質公債費比率及び地方債残高の減少に努める。
市債の残高や公営企業債等繰入見込額(下水道事業特別会計への繰出金)や,債務負担行為に基づく支出予定額等の減により分子が減少したこと,及び対前年度比で標準財政規模が約2億6000万円の増となったため分母が増加したことにより,前年度と比較して21ポイント改善した。今後は,国分寺駅北口再開発事業などの大型事業が見込まれるため,経常経費の削減や地方債の発行抑制,適正な基金残高の確保に努め,財政健全化に向けた取り組みを進める。
23年度は,類似団体平均を4.0ポイント上回った。共済組合負担金の長期掛金が改定されたことにより負担金が増となった一方で,定年退職者数の減少(-8人)による退職金の減や給料表を市独自表から都表に移行させたことにより職員給料が減少した。人件費全体では,前年度と比較して約2億5,800万円の減,0.6ポイント改善した。今後は,人件費を抑制するために高齢層の昇給抑制や期末勤勉手当の役職加算の適正化に取り組む。
23年度は類似団体平均との差が3.7ポイントとなり,前年度と比較して1.7ポイント広がった。経常的経費の枠配分方式による予算編成により削減が図られている部分もあるが,任意予防接種委託料や住基システム改修委託料の増などにより物件費全体で,前年度と比較して約1億2,900万円増加した。経常収支比率は,0.1ポイント改善している。引き続き枠配分予算編成を行い,内部管理経費や施設維持管理経費等を見直し,経常経費の削減に取り組む。
扶助費については,これまでも類似団体平均・東京都平均・全国平均を下回ってきた。23年度は,こども手当や障害者関係給付費,新たな私立保育所開園に伴う保育所入所児委託料の増などにより扶助費全体で,前年度と比較して約5億7,400万円の増,0.3ポイント悪化した。他自治体に比べて保護率が低く,伸びも穏やかである生活保護費については,引き続き就労支援体制の強化を図り,支給状況や収入等に関する調査を徹底し,適正給付に取り組む。
23年度は,類似団体平均・東京都平均・全国平均を大きく上回っている。これは,繰出金の割合が大きいことが要因と考えられる。下水道事業特別会計への繰出金は公債費償還のピークを過ぎており,その影響により23年度は減額となっているが,依然として20億円を超える額となっている。また,後期高齢者広域連合や介護保険特別会計への繰出金も増加している。
23年度は類似団体平均との差が縮まってきている。国庫支出金等超過収入額返還金,市内認証保育所運営費等補助金の減などにより補助費等全体で,前年度と比較して約1億1,800万円の減,0.4ポイント改善した。市が交付している団体補助金について,国分寺市補助金等交付基準に基づき3年ごとに全件審査を実施し定期的な見直しを図ってきている。今後も継続して実施することにより,補助金支出の適正化を図る。
23年度は,類似団体平均を2.6ポイント下回った。一般会計や国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業特別会計の償還金が減少したことにより,公債費全体で前年度と比較して約4,200万円の減,0.7ポイント改善した。平成19年度から臨時財政対策債の借入を行っておらず,公債費の抑制に努めてきた。今後も引き続き臨時財政対策債の借入を抑制しつつ,その他の地方債の借入についても慎重に検討し,地方債償還金の減少に取り組む。
23年度は前年度と比較して1.5ポイント改善したものの,類似団体のなかでは二番目に高い数値となっている。人件費については,給料表の都表移行等の影響によりポイントが改善しており,物件費や補助費等についても若干の改善が見られる。扶助費については,新たな私立保育所開園に伴う保育所入所児委託料の増加などによって増となったが,今後も大幅な削減は見込めず,増加していくと考えられる。その他の経費については引き続き経費の縮減に取り組む。
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