経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率について、平成23年度に金利6%以上の地方債を借り換えたことにより、徐々に改善している。平成28年度は公共下水道台帳システムの入替を実施したため、一時的に費用増となり比率は下がった。④企業債残高対事業規模比率について、毎年、20億円程度償還しているのに対し、発行額は、残高抑制策として年間10億円を上限としているため、全体の企業債残高は減少した。⑤経費回収率や⑥汚水処理原価は徐々に改善の兆しはあるものの、類似団体の平均値からは大きくかけ離れた状況にある。特に汚水処理原価については、日野市の普及率がまだ100%に到達してないこともあり、今後も汚水管新設工事が必要であり、併せて老朽管の更新工事も行っていくため、短期間で大きく改善させることは非常に難しい。ゆえに、将来の収支バランスについて検討を加えていく必要がある。⑧水洗化率については、近年、97%以上を継続しており、今後も類似団体平均を上回る状態で推移していくものと考えられる。
老朽化の状況について
現在利用されている下水道施設は、昭和40年代から平成10年代前半に集中的に整備されたため、今後、急速に老朽化することが予想される。平成23年度に下水道長寿命化計画基本構想を策定し、劣化の進行が激しい地域について、平成25年度からの5カ年で長寿命化事業を実施している。平成28年度より国の「長寿命化計画事業支援制度」が「ストックマネジメント計画事業支援制度」に変わったことを受け、今後は、長寿命化計画事業から、市域全体を対象としたストックマネジメント計画事業に移行していく。平成29年度には下水道施設ストックマネジメント計画を策定し、ライフサイクルコストの低減及び施設の適正管理を進めていく。
全体総括
現在、平成32年度からの公営企業会計への移行を予定しており、それに併せて固定資産台帳を整備し、資産評価を行っていく。その中で、下水道施設の耐用年数も明らかにし、今後の経営診断に役立てながら、経営健全化に取り組んでいく。