経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、地方債償還金のうち借換分の償還額が多額であることなどが影響し70%台の比率に留まっています。企業債残高対事業規模比率について、企業債残高に対する一般会計負担額が減となったことにより平成29年度の比率は上昇したものの、雨水事業の推進により一般会計負担額が増加傾向にあるため、過去5年間で見ると比率は減少傾向にあります。経費回収率及び汚水処理原価については、汚水処理費のうち公費負担分が、算定方法の変更などによって減少したことにより経費回収率が減少し、汚水処理原価が増加しています。汚水処理費の主なものは、流域下水道管理運営費負担金と企業債の元利償還金となっており、特に流域下水道管理運営費負担金は近年増加傾向にあります。水洗化率については、常に平均値を上回っていますが、さらなる水洗化率の向上に努めます。各指標を参考とし、適切な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減に努め、経営の健全性・効率性の向上を目指します。
老朽化の状況について
平成29年度末時点で、供用開始から47年となります。管渠の標準的な耐用年数とされる50年を経過した管渠はなく、大規模修繕等が必要となる箇所はありません。しかし、今後、建設から50年を経過した管渠が増加するため、下水道ストックマネジメント計画の策定を推進していきます。
全体総括
我孫子市の公共下水道事業は、昭和42年に建設が始まり、間もなく50年を迎えようとしています。今後、施設の老朽化、維持管理費の増大等、下水道事業をめぐる経営環境が厳しさを増していきます。維持管理費が増額傾向にあることを踏まえ、使用料収入の確保に努めなければならないと考えます。