経営の健全性・効率性について
各指標の数値の年度間の増減理由については、平成23年度は東日本大震災による放射能対策費等が増額したこと、平成25年度は特定被災地方公共団体に係る補償金免除繰上償還を行ったことによります。収益的収支比率は地方債償還金のうち借換分が多額となるため、それが影響し比率が70%台となっていると考えられます。企業債残高対事業規模比率について、平成27年度は分流式下水道等に要する経費に係る一般会計負担額が増額したたことにより比率が下がっていると考えられます。汚水処理原価については、常に平均値を上回っています。主な費用は、流域下水道管理運営費負担金、企業債の元利償還金となります。流域下水道管理運営費負担金は平成27年度以降、増額傾向にあります。施設利用率については、我孫子市は処理場を持っていないため、該当数値はありません。水洗化率については、約99%と常に平均値よりも上回っています。さらなる水洗化率の向上に努めます。経費回収率については、現在より高い数値となるように、使用料収入の確保及び汚水処理費の削減に努め、経営の健全性・効率性の向上を目指します。
老朽化の状況について
平成27年度末時点で、供用開始から45年となります。管渠の標準的な耐用年数とされる50年を経過した管渠はありません。現在は、大規模修繕等が必要である箇所はありません。しかし、今後、建設から50年を経過した管渠が増加するため、管渠の長寿命化計画に取り組む必要があります。
全体総括
我孫子市の公共下水道事業は、昭和42年に建設が始まり、間もなく50年を迎えようとしています。今後、施設の老朽化、維持管理費の増大等、下水道事業をめぐる経営環境が厳しさを増していきます。維持管理費が増額傾向にあることを踏まえ、使用料収入の確保に努めなければならないと考えます。