経営の健全性・効率性について
各指標の数値の年度間の増減理由については、平成23年度は東日本大震災による放射能対策費等が増額したこと、平成25年度は特定被災地方公共団体に係る補償金免除繰上償還を行ったことによります。収益的収支比率、経費回収率については、100%以上であることが必要とされています。現在より高い数値となるように、使用料収入の確保及び汚水処理費の削減に努めます。企業債残高対事業規模比率については、汚水処理に係る企業債残高は、年々減額していますが、使用料収入も前年度並みか減額傾向にあるため、比率に大きな変化は見られません。汚水処理原価については、常に平均値を上回っています。主な費用は、流域下水道管理運営費負担金、企業債の元利償還金となります。高利率の企業債から低利率の企業債への借換は、要件を満たせば行っています。施設利用率については、我孫子市は処理場を持っていないため、該当数値はありません。水洗化率については、常に平均値よりも上回っていますが、100%を目指してさらなる水洗化率の向上に努めます。
老朽化の状況について
平成26年度末時点で、供用開始から44年となります。管渠の標準的な耐用年数とされる50年を経過した管渠はありません。現在は、大規模修繕等が必要である箇所はありません。しかし、今後、敷設から50年を経過した管渠が増加するため、管渠の長寿命化計画に取り組む必要があります。
全体総括
我孫子市の公共下水道事業は、昭和42年に建設が始まり、間もなく50年を迎えようとしています。今後、施設の老朽化、人口減少による使用料収入の減少等、下水道事業をめぐる経営環境が厳しさを増していきます。自らの経営状況を正確に把握した上で経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に取り組む必要があります。