経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」は、平成23年度以降の経営状況の悪化により100%を下回っていたが、平成26年度から新会計基準の適用により現金を伴わない収入が増加したことで100%を上回った。今後は、平成27年7月の下水道使用料の改定による料金収入の増加により改善が見込まれている。「②累積欠損金比率」は、平成25年度までの累積欠損金は、平成26年度から新会計基準の適用により解消した。「③流動比率」は、期中の収入により債務への支払いは可能であるが、資金を確保し、支払能力を担保していく必要がある。「④企業債残高対事業規模比率」は、平均を大きく下回っており、今後も償還が進み改善していく見通しである。「⑤経費回収率」は、平均より上回っているものの、早期に100%を超えるよう一層の経営努力が必要となる。「⑥汚水処理原価」は、平成26年度は新会計基準の適用により減少しているが、維持管理費が増加傾向にあり、今後も上昇が見込まれている。。「⑧水洗化率」は、かなり高い水準となっている。現在整備を進めている区域においても確実に接続するよう促進していく。
老朽化の状況について
下水道管渠の法定耐用年数は50年であり、本市では昭和43年度に布設された管渠が最も古いため、「①有形固定資産減価償却率」は、現状では低い水準であり「②管渠老朽化率」は0となっている。しかし、昭和50年代を中心に一斉に整備された管渠が多いため、今後これらの指標の急激な上昇が見込まれる。現在、下水道管渠は、更新ではなく維持補修により機能を保持しているため、更新の規模は小さく「③管渠改善率」は低くなっている。
全体総括
平成23年度以降、下水道使用料収入の減少と維持管理費の増加により経営状況は悪化していたが、平成27年7月の下水道使用料の改定により改善する見通しとなっている。また、施設については、これから布設後50年を迎える下水道管が増えることから、更新需要を把握し、適切な維持管理や延命化を進めるとともに、耐用年数を超えた管渠への対応についての検討が必要となっている。