経営の健全性・効率性について
①②について本市は汚水処理経費に対する使用料収入不足を繰入金で賄っている状況です。これにより経常収支比率は概ね100%となり、累積欠損もありませんが、利益を上げられる企業体質ではありません。③④について本市は平成初頭から現在にかけて積極的な面整備を行ったことに伴い、企業債残高が高水準にあります。これにより、翌年度償還予定の企業債元金が流動比率を大幅に下げています。⑤⑥について高利率の企業債が多く残っていることや、管渠の減価償却が終わっていないこと、処理場を2場有していることなどにより汚水処理原価は高水準にあります。一方、使用料は18年間値上げ改定を行っておらず、経費を回収できていません。⑦について処理能力の約9割が稼働しており、平均と比較して高水準にあることから、投資は効率的と考えられます。⑧について現在も積極的に面整備を進めていることから、新設管渠への未接続が類似団体より相対的に多いこと等が想定され、平均を下回っています。
老朽化の状況について
管渠施設が比較的新しい中でも、老朽化管渠については積極的に管渠の改善を進めている状況です。今後は長寿命化対策及び耐震化対策の推進により、管渠改善率は更に上昇することが予想されます。
全体総括
下水道の整備を積極的に進めたことが、③④⑤⑥等経営状況に強い影響を与えていることが分かります。一方、使用料については改定を長く行ってこなかったため、増加した経費を回収できない低廉な設定となっています。令和2年7月に値上げ改定を実施予定ですが、経営改善のためには今後も継続的に使用料収入を見直していく必要があります。法適用初年度であるため、今後の推移については翌年度以降の本表において分析が可能になるものと期待されます。策定予定の経営戦略と併せて活用し、健全な下水道財政運営に努めてまいります。