富士見市:公共下水道

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経営比較分析表(2018年度)

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率経常収支比率は、下水道使用料等の収益で維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す指標である。平成30年度は122.81%となり、単年度収支が黒字であることを示しているものの、この収益の中には営業助成のための一般会計補助金が含まれていることに留意する必要がある。③流動比率流動比率は、債務に対する短期的な支払能力を表す指標である。平成30年度は100%を上回り、これは1年間の債務支払額に対し、現状の現金・未収金額で支払可能であることを示している。ただし、今後の更新投資に充てる財源の確保が当市の課題であり、引き続き資金の積み増しを図っていく方針である。④企業債残高対事業規模比率借入額の大きい企業債が満期を迎え、企業債残高が減少した。今後は、汚水事業で下水管やポンプ施設の改築更新が一斉に開始されることを踏まえ、企業債残高が膨れないよう計画的な投資を実施する必要がある。⑤経費回収率経費回収率は、使用料で回収すべき経費をどの程度使用料で賄えているかを表す指標である。近年は高利率企業債が満期を迎えることで、支払利息が減少傾向であることが影響し、平成28年度からは経費回収率が100%を超えている状況にある。しかし、今後の更新期に備えた投資財源確保のため、収入の一部を一般会計補助金に依存しているのが経営の実態である。そのため、独立採算の実現に向けて、より効率性を高めるための経営努力を要する。⑥汚水処理原価汚水処理原価は、有収水量1㎥あたりの汚水処理に要した費用を表している。平成30年度は、支払利息が減少したことと、新規接続による有収水量の増加により汚水処理原価が減った。⑧水洗化率処理区域内人口のうち、実際に公共下水を利用している人口の割合を表す指標である。毎年度、下水道未接続世帯に対する水洗化促進活動に取り組んでいるが、平成30年度水洗化率は平均を上回る99.36%で着地した。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標である。当市は類似団体との比較で平均値を上回っていることから、下水管の老朽化が進んでいることがわかる。当市の下水道事業は昭和49年度から開始されており、下水管の法定耐用年数(50年)が近づいていることを示している。今後は更新計画を策定のうえ、計画的かつ適正な改築更新を実施していく必要がある。

全体総括

当市の経営状況を各指標から総合的に分析をすると、単年度収支で黒字を達成し、経費回収率も100%を超えているものの、営業助成のための一般会計補助金なしでは経営面で支障をきたすおそれがあり、予断を許さない状況である。また、今後は人口減少や節水等による収入の低下が懸念されることに加え、耐用年数を経過する下水管の改築更新需要の高まりによって、経営環境はより厳しさを増していくだろうと認識している。そのため、将来を見据えた中長期的な更新計画、また、投資財源を確保するための経営戦略を策定することが急務である。以上の点を踏まえ、当市はストックマネジメントの策定に着手している最中である。供用開始し経年劣化が進む下水管やポンプ場の修繕、改築更新のスケジュール策定や投資額を推計し、その計画に沿うように更新事業に着手する。同時に、経営戦略の策定も実施し、将来の収支予測をシミュレーションし、収支の悪化による更新事業の停滞を引き起こさないよう経営基盤の強化を図っていく。

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